5年生 資料を読んで考えたことを書こう 学習指導案




単元名

資料を読んで考えたことを書こう

単元の目標

資料を生かして、自分の考えたことが伝わるように書くことができる。

評価規準

国語への関心・意欲・態度

書く能力

言語についての

知識・理解・技能

・身の回りの資料から書きたいことを決め、相手に自分の考えが伝わるように書こうとしている。

・資料から必要な情報を取り出し、資料から引用したことと、自分が考えたことが明確に分かるように構成を考えて文章に書こうとしている。

・文や文章にはいろいろな構成があることについて理解している。

【伝統的な言語文化と国語の特質に関わる事項イ(キ)】




単元(題材)設定の理由

 児童の実態

 本学級の児童は、4月単元「メモを使って題材をさがそう」で、連想によって言葉を広げ、書く題材を探す活動を行った。メモを利用しながら考えを整理し簡単な構成を考えて文章を書いた。

 9月単元「立場を明確にして書こう」では、構成メモ作成の際に理由を一つずつカードに書く経験をさせた。書き出した理由を整理して並べ替えをさせて、より効果的な構成はどのようなものか意識させるようにした。

 構成や理由の整理の仕方が理解できると意欲的に取り組む児童が多かったが、「書く」ことに対して苦手意識がある児童も多く、まだ事実と意見を区別して書いたりすることができない児童がいたり、読み取ったことに対して自分の考えがなかなか書けなかったりする児童もいる。

 文章の構成を工夫することや語尾に気を付けることを意識させることで、事実を取り上げているのか自分の意見を書いているのかを区別できるようにさせたい。合わせて相手意識をもたせ、自分の意見を相手に分かりやすく伝えようとする態度やものの見方や考え方の違いを受けとめようとする態度も育てたい。

 教材(題材)観

 本単元では、資料を読み取って自分の考えをもち、分かりやすく相手に伝える文を書く活動に取り組む。この活動を通して、様々な資料を読み取る力や、資料から得た情報を生かして効果的に書く力を付けることをねらいとしている。

 生活の中には、様々なテキストがあふれている。多様なテキストから発信されている情報を正確に読み取り、生活に生かす力が求められている。児童の身近な題材を使うことで、資料を読み取る力、自分の考えをもつ力、自分の考えを表現する力を高めることにつながると考える。

 また、交流の場では、同じ資料を読んでいても意見や資料の活用の仕方がそれぞれ違うことを知り、お互いの考えを受け入れ、よさを生かしていこうとする態度が育成できると考える。

 指導観(手だて)

「書く力」を育てるための題材の設定

 児童が書く活動に積極的に参加するためには、興味をもって取り組める題材の設定が必要である。資料を活用した書き方や引用の仕方の基礎を学ばせ、書き方の基本を提示しいつでも確認できるようにした上で、題材に児童が選択できる幅をもたせ、書くことに苦手意識をもつ児童も取り組みやすい活動になるようにした。

・導入にポスター、広告など生活の中で目にする資料をたくさん用意することで活動の意欲を喚起できるようにする。

・児童にとって身近な話題を扱い、児童の興味・関心が持続するようにする。 

・資料を活用した時の書き方について提示する。

・ワークシートを用いて自分の考えを整理、明確化し表現しやすくする。 

意見交流の場、見直しの時間の設定

 資料から読み取ったことをもとに、自分の考えを書く際には構成メモを作成する。構成メモの段階で交流する時間を取り入れる。友達の意見を参考に構成メモの見直しをさせる時間を設けることでよりよい文章を書いたり、相手意識をもち客観的に文章を見直したりできるようにさせたい。しかし、交流の際には、グループによってなかなか意見の深まりにつながらないのも実態であるので、教師側の指導・支援を考えていきたい。

・構成メモ、文章をグループで読み合って交流することで、自分の伝えたいことが明確になっているか確認できるようにする。

・交流の時間をもつことで「読み手」を意識させ、相手意識をもたせられるようにする。

学習過程の工夫

 接続語など既習事項をいつでも確認できるようにし、書くことに対する苦手意識を取り除けるようにする。国語辞典を手元に置き、常に使えるようにする。

学校図書館等を活用したり、言語環境を整えるようにしたりして語彙の拡充を図るようにしている。

構成メモ作成の段階でカードを利用するなど、順序を入れ替え効果的な構成を考えやすくした。

・語彙の拡充を図る。(国語他)     

・既習事項について振り返り、意識させるようにする。

・自分の考えを整理する時間と学び合いの時間の確保をする。

・道徳、特別活動の授業と関連させ、あらかじめ関心をもたせるようにする。

学習指導計画と評価規準

学習活動

●指導・支援 ◇評価(  )評価方法 

一次

○資料を活用した書き方を知る。

・身の回りの資料について話し合う。

・資料から分かったことをどのように活用して文章が書かれているかを確かめる。

●教材のねらいを確かめ、身の回りにある資料について話し合う。身の回りには様々な資料があり、それぞれの資料が、写真・イラスト・グラフ・図など様々な情報を生かしていることを確認する。

●資料の写真やイラストの効果について話し合い、以下の観点について意識させる。

・写真やイラストがある場合とない場合を比較させ、資料があることで伝えたいことを補強していることに気付かせる。

・伝えたい内容に絞って写真やイラストが使われていることに気付かせる。

●リーフレットの情報を色鉛筆でつなぎ、どの情報をどこで活用しているか視覚的に理解しやすくする。

◇[関]資料をもとに自分の考えが伝わるような文章を書く学習に興味を持って取り組もうとしている。

(発言・ワークシート・行動観察)

 

道徳

○「世界じゅうの子どもたちとともに」の学習を通してユニセフ活動について知る。

●ユニセフ募金活動に消極的であった「ぼく」が、世界中の困っている人のために積極的に行動するようになったことをおさえる。

二次

 

○資料をもとに、伝えたい内容を構成メモに書く練習をする。

・教科書の資料に入っている情報を読み取る。

 

・構成メモを作る練習をする。

●構成メモのモデルを提示するなど、どのような活動をするか見通しもたせる。

●「問いかけ(緑)」「伝えたいこと(黄)」「資料の紹介(青)」「自分の考え(ピンク)」の四段落構成を意識させる。

●「自分の考え」の段落は、資料に入っている様々な

 メッセージを板書して自分が最もみんなに呼びかけたいメッセージを考えやすくする。

◇[書]資料から読み取ったことをもとに自分の伝えたいことが分かるように構成メモを書いている。

(発言・ワークシート・行動観察)

○自分の選んだ資料を使って自分の考えを書くための構成メモを作る。

●「じょうぶな骨をつくるには」「エコキャップ運動」「清涼飲料水に入っている砂糖の量は?」の資料から自分の興味に合わせて選択できるようにする。

●「問いかけ」「伝えたいこと」「資料の紹介」「自分の考え」の四段落構成で構成メモを書くことを意識させる。

◇[書]資料から読み取ったことをもとに自分の伝えたいことをはっきりさせて構成メモを書いている。

(発言・ワークシート・行動観察)

 

 

4(本時) ・5

○構成メモを読み合って資料の活用の仕方を確認する。

・構成メモを読み合い、意見を交流する。

 

 

 

 

 

 

○資料の活用の仕方を工夫して文章を書く。

●前時に書いた構成メモを友達と読み合わせ、資料を効果的に使っているか確かめさせる。

●四つの段落それぞれの内容(書く予定の事柄)についても確かめ合うようにさせる。

●「自分の考え」には、様々な考えがあってよいことを伝える。

◇[書]資料から必要な情報を取り出し、資料から引用したことと、自分が考えたことが明確に分かるように構成を考えて文章を書いている。

(発言・ワークシート・行動観察)

●構成メモを手がかりにして、資料の活用の仕方を工夫して文章を書かせる。

●友達からもらった意見も参考にしながら、自分の伝えたいことを自分の言葉で書くように確認する。

◇[書]資料から引用したことと、自分が考えたことが明確に分かるように構成を考えて文章を書いている。

(発言・原稿用紙・ワークシート)

三次

 

○書いた文章を読み合って交流する。

○学習の振り返りをする。

●グループ内で文章を読み合い、資料の使い方の工夫を見つける。

●文集の形にして相互の交流ができるようにする。

●効果的な資料の使い方ができている文章を交流して、本教材での学びを共有する。

◇[書]お互いの書いた文章を読み合い、友達の文章についてよいところを見つけて助言している。

(発言・ワークシート・行動観察)

本時の学習 (4/6時)

本時の目標

より説得力のある文章を書くための構成メモを書く

展開

学 習 活 動

●指導・支援 ◇評価( )評価方法

1 前時の学習を振り返り、本時のめあてを確認する。

より説得力のある文章を書くための構成メモを書こう。


2 グループ内で意見を交流する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3 友達の意見を参考に構成メモを見直す。

 

 

 

4 振り返りを行う。

●前時で作成した構成メモをグループ内で交流し、資料を効果的に使っているかのメモの構成を考えることを伝える。

 

 

●より説得力のある文章を書くために気を付けることについてあげさせ全体で確認する。

●グループで構成メモを読み合う。

・四つの段落それぞれの内容(書く予定の事柄)についても確かめ合うようにさせる。

●同じ資料を選んだ児童同士でグループを作り、意見を交流させるようにする。(1人3分)

●構成を検討してもらう児童が発表し、他の児童には、よい点と改善点を具体的に付箋紙に書くよう伝える。

◇[言]文章全体の構成について理解している。

(発言、付箋紙)

●話し合いの意見をもとに、より説得力のある意見文になるよう、必要であれば構成メモに書き加えたり、書き直したりさせる。

◇[言]文章にはいろいろな構成があることを理解している。(発言・行動観察)

●文章を書く際の表現について確認する。

・文章を引用する場合は「    」を使う。

 ・資料に載っている名前や数を正確に書く。

 ・資料の名前を明記する。 など

●友達の意見を参考に自分の伝えたいことを自分の言葉で書けているか見直す。

◇[書]資料から必要な情報を取り出し、資料から引用したことと、自分が考えたことが明確に分かるように構成を考えて文章を書いている。

(発言・ワークシート・行動観察)

●次時は構成メモをもとに意見文を書く活動や推敲する活動を行うことを伝える。