4年生 みんなで新聞を作ろう 学習指導案




単元名

みんなで新聞を作ろう

単元の目標

取材したことを整理して、分かりやすい記事を書く。

読み手の興味をひく書き方を工夫する。

評価規準

国語への関心・意欲・態度

書く能力

言語についての知識・理解・技能

・調べたことを新聞の形で伝えることに興味をもち、友達と協力して新聞作りをしようとしている。

 

・新聞の形式を知り、相手や目的に応じて必要な事柄を調べ、記事を書いている。

【B書くこと(1)ア】

・グループで下書きを読み合い、より良い表現になるよう助言したり修正したりしている。

【B書くこと(1)エ】

・主語と述語、修飾と被修飾との関係をはっきりさせ「いつ」「どこで」「だれが」「どうした」などという文の構成について理解できる。

【伝統的な言語文化と国語の特質に関わる事項イ(キ)】




単元(題材)設定の理由

 児童の実態

 9月に国語科の書くことと新聞についてのアンケートを行った。「作文や新聞などで文を書くのはすきですか」という問いに対して、17名の児童がすきと答えた。アンケート結果の通り、4年生になってからこれまでの作文や新聞作りの学習では、その時のめあてに沿って、すすんで書くことができる児童が多い。新聞についても、「いろいろな記事を書けるところがおもしろい」と、新聞の特長を楽しんで書いている児童もいる。一方、文を書くことに対して、苦手意識をもつ児童もいるし、国語科の学習全体についてはきらいと答える児童も多い。また、段落構成や主語と述語の関係を正しく理解できていない児童も少なくない。文章のまとまりを考えて書くことや相手にわかりやすく整理して書くことについて、継続的に指導をしている。

 新聞については、家で新聞をとっている児童が15名、とっていない児童が10名ということがアンケートからわかった。また、全ての児童が新聞を読んだことがあると答えたが、日常的に新聞を読んでいる児童は少なく、新聞に対する興味や新聞を読む経験は乏しい。本単元で新聞を書くにあたって、新聞に触れる機会を多く設け、新聞についての関心を高めながら学習を進めていきたい。

 教材(題材)観

 5月に学習した「わたしが選んだ今月のニュース」では、運動会での出来事について、大事なことを落とさないように書くことを指導し、「いつ」「どこで」「だれが」「どうした」などを明確にして書くことを学んだ。また、友達や家族などから聞いたことを書くことを通して、人から聞いたことを表す文末表現についても学習した。

 新聞作りの活動については、総合的な学習の時間で「岩井移動教室新聞」を書いたり、夏休みの宿題として夏休み新聞を書いたりした。読み手をひきつける見出しの付け方や伝えたいことを整理して割り付けすることを意識して書くように指導したが、まだ意識が充分でない児童が多く、課題が残る。

 本単元では、相手意識を明確にしてわかりやすく文章を書くと同時に、見出しのつけ方や割り付けの仕方についても学習し、自分で調べたことを新聞形式で表現させたい。そのために、まず新聞の形式と特徴について学び、新聞を通して伝えたいことについて、取材する活動を行う。また、グループでの作業を取り入れ、友達と協力して推敲し、書く力を互いに高めることを目指して本単元を設定した。

 指導観(手だて)

新聞記事に慣れ親しむ

・新聞コーナーを設け、日常的に新聞を読むことができるようにする。

・本単元の導入では、新聞作りをテーマにした教育テレビのテレビ番組を見せ、新聞作りに対する興味をもたせる。

・実際に新聞を書くときには、常体の文章表現についての掲示物を用意し、常体で書く手立てとする。

・週末の宿題の日記を常体で書く活動を取り入れ、常体の表現に慣れることができるようにする。

意見交流や推敲のためのグループ構成の工夫

 自分の思いや考えをすすんで表現することができるように、新聞の読み手を誰にしたいか児童に選択させる。そうすることで、相手意識をもち、意欲的に伝えようとすることができると考えた。また、本単元では、グループごとに一つの大きな新聞を作る活動とし、そのグループは、読み手が同じ児童同士で構成する。友達同士で推敲していくことで、より活発な話し合いになると考える。

学習指導計画と評価規準

学 習 活 動

●指導・支援 ◇評価

 

○新聞について興味をもち、新聞の特徴、作り方について知る。

○実際に新聞を作るという学習課題をもつ。

●新聞作りに関するビデオを見て、新聞の見出しの付け方、写真などの資料の選び方、相手意識をもつこと等を知らせる。

●単元を通して、一人一人が新聞記者として学習に取り組むように投げかける。

●誰に何を伝える新聞にしたいか考えさせる。

●グループごとに新聞を作ることを伝える。

◇[関]新聞について興味をもち、新聞の特徴を見つけようとしている。

○新聞記事を読んだり、作文と読みくらべたりして、新聞の文章の書き方について知る。

 

●新聞記事と、その記事と同じ内容の作文とを読み比べさせ、表現形態の違いや記事を書く上でのポイントに気付かせる。

[気付かせたいポイント]

・常体で書いている

・見出しは1番伝えたいことを短い言葉で表す

・大事なことを落とさずに書く

・文は短く、わかりやすく書く

・事実と自分の考えを分けて書く

・自分の考えは主観的にならないようにする

●常体で文章に慣れるため、週末の宿題の日記を常体で書かせることで、日頃から常体に慣れることができるようにする。

◇[書]新聞記事の表現方法を理解する。

 

 

○どんな新聞にするか、グループで話し合う。

○新聞に書く記事を考え、割り付けを話し合う。

○取材の内容と方法を考える。

●読み手が同じ児童同士でグループを構成する。

(読み手の例…クラスの友達、3年生、

低学年、家の人、先生 等)

●記事や写真・イラストの位置、文字の大きさ、文章の量など、割り付けの仕方について知らせる。

◇[書]新聞のテーマやレイアウトを考えている。

 

 

 

 

○取材をして記事を書く材料を集める。

 

 

 

 

●記事にしたい内容にあった取材方法か、インタビュー内容であるかなどを助言する。

(取材方法…インタビュー、アンケート、写真撮影等)

◇[書]様々な方法で取材し、記事に書く事柄を集めている。

○取材したことを整理して、記事の下書きを書く。

 

 

○見出しを考える。

●記事を書く時のポイントを板書しておき、それに気を付けて下書きを書かせる。

●清書と同じ用紙を使い、写真の位置や見出しの字の大きさについても考えさせる。

●1番伝えたいことが何かを考えて見出しを付けさせる。見出しは短くて読み手の目をひくものとする。

◇[言] 「だれが」「いつ」「どこで」「どうした」などの文の構成について理解し、大事なことを落とさずに書いている。

(本時)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○記事の下書きをグループで読み合い、推敲する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

●観点を板書し、観点に沿って読み合いをさせる。

・常体で書いているか。

・事実と自分の考えを分けて書いているか。

・長くてわかりにくい文はないか。

 3つの観点を記入した表を用意して、チェックできるようにする。改善点があれば、付箋紙に書いて該当箇所に貼るようにする。

●漢字や段落についても、気が付いたことがあれば、付箋紙に書いて該当箇所に貼るようにする。

◇[書]グループで下書きを読み合い、より良い表現になるように助言し合ったり、下書きを直したりしている。

◇[言]文章全体の構成について理解している。

 

 

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○推敲した下書きをもとに、清書する。

●新聞のレイアウトを話し合い、割り付けを工夫させる。

 

●清書の用紙に書く。

◇[言]新聞全体の構成について考え、レイアウトを工夫し、清書している。

11

 

12

○完成した新聞を読み合い、感想や意見を伝え合う。

○自分たちで作った新聞について、よかった点、改善点、作ってみての感想などを書く。

●ワークシートを活用し、各グループの新聞について、感想や改善点を記録させ、発表・交流させる。

●短冊によかった点、改善点、感想などを書かせる。

◇[書]新聞を読み合って、友達の良い点や表現の工夫などについて伝えている。

本時の学習 (8/12時)

本時の目標

グループで下書きを読み合い、より良い表現になるように推敲することができる。

展開

学 習 活 動

●指導・支援 ◇評価

1 前時の学習を振り返り、本時のめあてを確認する。

グループで記事をすいこうしよう。

2 グループ内で意見を交流する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3 友達の意見をもとに、よりわかりやすい記事になるよう、修正する。

 

 

 

 

4 振り返りを行う。

 

●それぞれが書いた記事を読み合い、グループでより良い記事にしていくことを伝える。

●以下の観点を与え、グループで話し合う。

・常体で書いているか。

・事実と自分の考えを分けて書いているか。

・長くてわかりにくい文はないか。

3つの観点を記入した表を用意して、チェックできるようにする。改善点があれば、付箋紙に書いて該当箇所に貼るようにする。

●漢字や段落についても、気が付いたことがあれば、付箋紙に書いて該当箇所に貼るようにする。

●意見交流は1人4分とする。

◇[言]推敲の観点をもち、文章全体の構成について理解している。(発言、付箋紙への記述)

●長い文を短く直すときの書き方や、誤字の直し方など、訂正の仕方について知らせる。

●赤鉛筆で訂正させる。

◇[書]友達の助言をもとに、より良い表現になるよう下書きを直している。(下書きへの記述)

 

●次時は下書きをもとに清書することを伝え、課題意識をもたせる。