1年生 おとうとねずみチロ 学習指導案




単元名

本のおすすめやさんをひらこう

いろいろなおはなしをよもう おとうとねずみチロ

単元の目標

人物の行動や様子に着目していろいろな物語を読み、好きな人物を紹介することができる。

評価規準

国語への関心・意欲・態度

読む能力

言語についての

知識・理解・技能

・いろいろな物語を読んで、好きな人物を紹介する活動に意欲的に取り組もうとしている。

・人物がしたことを思い浮かべ、その時の様子や気持ちを考えながら読んでいる。【C読むこと(1)ウ】

・物語を読んで好きな人物を見つけ、人物の好きなところをカードにまとめ、伝え合っている。【C読むこと(1)オ】

・感想を伝える言葉にはさまざまなものがあることに気付いている。

【伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項(1)イ(ウ)】




単元(題材)設定の理由

 児童の実態

 文学教材では、7月「おおきなかぶ」で、お話を楽しんで読むこと、10月「サラダでげんき」で、登場する人物をとらえ、誰がどんなことをしたかに注意して物語を読んでいくことをねらいとして学習してきた。登場人物になったつもりで行動を動作化したり、会話を音読したりしながら楽しんで読み取ることができた。しかし、自分の思いを言葉で表現することは難しい児童が多い。そこで、本単元では、会話や行動を手がかりにして、場面の様子を想像しながら読み、多様な表現や感じ方を知らせ、そして人物の行動や様子に着目していろいろな物語を読み、好きな人物を紹介させたい。

 本学級の児童は、読み聞かせや読書が大好きな学級である。読み聞かせで聞いた本をまた一人で手に取ったり、何度もお気に入りの本を読んだりして、自分の読書の幅を広げている。しかし、その一方で図鑑や絵本の絵だけを追って読む児童も多くいる。本を読む上で、内容よりも視覚的要素に左右されていると言える。

 本単元を通して、課題である場面の様子について想像を広げながら読むことのできる児童、自分の思いを言葉で表現することができる児童を育てたいと考えている。

 教材(題材)観

 本単元の重要指導事項は、学習指導要領におけるC読む(1)オ「文章の内容と自分の経験とを結び付けて、自分の思いや考えをまとめ、発表し合うこと。」および、カ「楽しんだり知識を得たりするために、本や文章を選んで読むこと。」である。

 本単元では、物語の好きなところを友達に紹介する活動を通して、登場人物の会話文や行動の叙述を根拠にして、想像を広げながら読む力を育てることをねらいとしている。さらに、物語の楽しさを味わうことで、読書の幅を広げていくことができると考える。

 「おとうとねずみチロ」は、兄弟の中で最も幼いチロが誰の助けも借りずに心配事を乗り越えるとともに、おばあちゃんとも心を通わせていく物語である。この物語は、4つの場面で構成されている。第一場面(おばあちゃんから手紙が届く。)→第二場面(チロがおばあちゃんに呼びかける。)→第三場面(おばあちゃんから「小包が届く。)→第四場面(チロがおばあちゃんにお礼を言う。)という構成になっており、主人公チロの様子の移り変わりが場面の展開にそって分かりやすく描かれている。したがって、主人公の会話文や行動から様子を豊かに想像して読むという読み方を身に付けさせることに適した教材といえる。

 指導観(手だて)

単元のゴールを見通した学習計画

 単元の始めに、「自分が選んだ本の好きな人物をおすすめカードにかき、友達に紹介する」という活動を児童に知らせることで、興味関心を高める。おすすめカードには、本の題名、好きな人物、好きなところ、好きな人物の絵の4点をかく。「おすすめカード」をかくことでより分かりやすく本を紹介することができることを伝える。二次の学習でも「おとうとねずみ チロ」の「おすすめカード」をかき、三次の学習活動へとつなげていく。

動作化・イメージ化

 想像を広げて読む力を育てるために、場面の様々な設定や主人公チロの置かれている状況を正しく理解させる。そのために、チロの会話文や行動の叙述に着目させ、その意味について動作化したり、児童の生活経験や挿絵をもとにイメージ化したりすること等の手段を取り入れて、より具体的に把握できるようにする。また、前後の叙述との関連を考えることによって、チロの心情の変化を読み取ることができるようにする。

公共図書館の利用

 各教科の学習に関する本を廊下に置き、並行読書を行いやすい環境作りを学年で行っている。また、教科書の紹介図書を中心とした様々な物語を、毎月40~50冊借り、随時多くの本に触れることができる環境を作っている。これにより本単元の導入時から紹介したい物語を選び、三次の学習活動への見通しをもちながら、学習を進めていくことができるようにする。

感想を表す語彙の掲示

  「おすすめカード」の、児童が好きなところを選んだ理由を書くための言葉(おもしろい、びっくりする、どきどきする、ほっとする、すき、きらい、元気が出てくる、かわいい、かっこいい、にこにこ笑顔になる等)を活用しやすいよう、語彙を一覧にして掲示する。

学習指導計画と評価規準

学習活動

●指導・支援 ◇評価

 

 

 

 

○「本のおすすめやさんをひらこう」をすることを知り、 物語への興味や学習への意欲をもつ。

 

 

 

○読み聞かせを聞き、初発の感想を発表する。

●「おすすめカード」のモデルを見て学習の見通しをもてるようにする。

●色々な本を用意しておき、好きな本を選んで読む楽しさを伝え、学習全体への意欲をもたせる。

◇初発の感想を出し合っている。

【発言・ワークシート①】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○手紙が届いた時のチロの様子を想像しながら読む。

●想像できない児童には、挿絵に吹き出しを付け、その時のチロの気持ちを会話の形で書き出させる。

◇おばあちゃんから手紙が届いた時のチロの行動や会話に着目し様子や気持ちを想像しながら読んでいる。

【発言・音読・ワークシート②】

○「チロのチョッキはないよ」と言われて不安に思うチロの様子を想像しながら読む。

●P66の挿絵の表情から、チロの不安な気持ちを想像させる。

◇「チロのチョッキはないよ」と言われた時の、チロの行動や会話に着目し、様子や気持ちを想像しながら読んでいる。

【発言・音読・ワークシート③】

○「いいこと」を思いついたときのチロの様子を想像しな

がら読む。

●P67の挿絵の表情から、チロの気持ちを想像させる。P66の挿絵と比べて変化をとらえさせる。

◇「いいこと」を思いつき、それを実行していくチロの行動や会話に着目し、様子や気持ちを想像しながら読んでいる。

【発言・音読・ワークシート④】

○おばあちゃんに呼びかけ、お願いをした時のチロの様子を想像しながら読む。

●P70の挿絵のチロの表情から気持ちを想像させる。自分が嬉しくてとびはねたくなった時のことを思い出させる。

◇おばあちゃんに呼びかけた時のチロの行動や会話に着目し様子や気持ちを想像しながら読んでいる。

【発言・音読・ワークシート⑤】

○おばあちゃんからチョッキが届いた時のチロの様子を想像しながら読む。

●P71の挿絵の表情からチロの嬉しい気持ちを想像させる。

◇チョッキを見た時のチロの行動や会話に着目し、様子や気持ちを想像しながら読んでいる。

【発言・音読・ワークシート⑥】

7(本時)

○おばあちゃんにお礼を言う時のチロの様子を想像しながら読む。

●P72の挿絵の表情から、チロの気持ちを想像させる。

◇おばあちゃんにお礼を言う時のチロの行動や会話に着目し、様子や気持ちを想像しながら読んでいる。

【発言・音読・ワークシート⑦】

 

○チロの好きな所をカードに書き、友達と伝え合う。

●好きなところがかけない児童には、挿絵の中から好きな場面を選ばせ、誰が何をしている所かを書かせる。

◇チロの好きなところをカードにまとめ、紹介している。

【カード】

 

 




 

 

10

○読みたい本を選んで読み、自分の好きな人物を見つけて好きな所をカードに書く。

◇色々な本を読み、友達に紹介したい本を選んでいる。

【行動観察・カード】

◇物語の中の好きな人物について、カードに書いて紹介したい好きな所を見つけている。

【行動観察・カード】

11

12

 

○おすすめカードを使って、「本のおすすめやさんをひらこう」をする。

◇書いたカードを読み合い、よい所を伝え合っている。

【行動観察・発言】

本時の学習 (7/12時)

本時の目標

おばあちゃんにお礼を言う時のチロの様子を想像しながら読むことができる。

展開

学習活動

●指導・支援 ◇評価

1 前時の学習(チョッキをもらった時のチロの気持ち)を振り返ってから、教科書を音読する。 

2 本時のめあてを知る。

おばあちゃんにお礼を言うチロの様子や気持ちを考えながら読もう。


3 おばあちゃんにお礼を言う時のチロの行動や会話から、様子や気持ちを想像する。

 

 

 

 

 

 

4 チロの様子や気持ちを想像しながら音読する。

・声の大きさや口の開け方、手足を使って読むことを意識してみる。

 

 

 

 

 

 

5 本時の振り返りを行う。

●挿絵の表情から、チロの気持ちを想像させる。

 

 

 

 

●チロはチョッキを着て、どこへ行ったのか、何をするために丘のてっぺんの木へ駆け上がったのかなどについて問いかけ、おばあちゃんに感謝するチロの様子や気持ちを読み取らせる。(ワークシート⑦)

●チロが「ありがとう」と2回繰り返し言った気持ちを考えさせる。

●自分がプレゼントをもらった時のことを思い起こさせ、チロの嬉しさを連想させる。

●おばあちゃんにお礼を言う時のチロの様子や気持ちを想像しながら音読させる。

・「大声でさけびました。」「きえるのをまって」「こんどはゆっくり」に注意させ、動作化しながらチロになりきって読ませる。

・「あ、り、が、と、う。」を「ありがとう。」と比べて読ませる。

◇おばあちゃんにお礼を言う時のチロの行動や会話に着目し、様子や気持ちを想像しながら読んでいる。

(発言・音読・ワークシート⑦)