1年生 たのしかったね、1年生 学習指導案




単元名

たのしかったね、1年生




単元の目標及び評価規準

 単元の目標

1年間を振り返り、心に残った出来事を、様子や気持ちが分かるように文章に書く。

評価規準

国語への関心・意欲・態度 書く能力 言語についての 知識・理解・技能
・1年間の出来事を振り返り、新しい1年生に伝える文章を書こうとしている。 ◎新しい1年生に伝えるために、1年間の出来事の様子やその時の自分の気持ちを思い出している。 ◎書いた文章を読み合い、出来事の様子がよく分かるところなど、良かったところを伝え合っている。 ・既習の漢字や片仮名を字形や筆順に気を付けて、正しく書いている。

 

 

 

 

 

単元(題材)設定の理由

 児童の実態

 1年生は、12月までに片仮名、平仮名の学習をし、9月より漢字の学習を始めた。「書くこと」に関する意欲については、生活科カード、日記などの指導で、次第に高まってきている。日記は、保護者と一緒に取り組む家庭も多く、今後も家庭との連携を図っていきたい。

 作文の指導については、6月単元「ぶんをつくろう」で、主語述語について知り、「~が、~した。」の文章に慣れた。11月単元「じゅんじょよくかこう」では、「はじめに」「それから」など、順序を表す言葉を使って書く指導を行った。自分のしたことや思ったことをすぐに書き進めることができる児童と、何を書いたらよいか思い付かずなかなか書き進められない児童との個人差が大きい。そのため、教科書の文例から、書くことの観点を全体で確認してから書くようにしている。本時も、新しい1年生に向けて書くために、出来事の様子を短い文章で詳しく伝えるにはどうしたらよいかを考えさせていきたい。

 また、「書く」力を総合的に活かすために、文章を書く中で、句読点の打ち方や助詞、長音や拗音、促音、撥音などの使い方も再確認しながら進めていきたい。

 教材(題材)観

 本教材「たのしかったね、1年生」では、入学してからの1年間を振り返り、新しい1年生に教えてあげたいことを選んで文章に書く活動を行う。これまでに学習してきた「書くこと」の教材は、友達や教師、お家の人などを読み手として想定したものであった。本教材では、新しく入学してくる1年生に向けて文章を書く。自分たちが経験したことを文章に書いて教えてあげるというこれまでにない設定に、児童は意欲を感じると考えた。

 書くことを苦手とする児童は、「何を書けばよいのか分からない。」ということがある。本教材は、題材を学校生活に限定するため、全員が共通の体験をしているので話しやすく、どのようなことを書けばよいのか助言しやすい。また、完成した文章についても、感想を述べやすく、友達の思い出との違いに気付きやすいと考えた。

 書きたい題材を選ぶ際には、特定の出来事に偏らないよう、相手意識をもって選ばせたい。児童が伝えたいと思うことが必ずしも新しい1年生にとって、小学校が魅力的だと思えるような内容であるとは限らない。幼稚園や保育園とは違って驚いた、学校生活が楽しみだと思えるような文章が書けるように支援していきたい。

指導観(手だて)

相手意識をもち、意欲的に書くために

 今まで、児童は、お家の人や先生を対象に文章を書いた。本単元では、新しく入学する1年生に書くということで、より「書くこと」への意欲が高まると考える。新1年生に教えてあげたいことを選ぶ際、題材を学校生活に限定し、入学してからのことを振り返りやすいように、4月からの学校生活を写真や、児童の作品などで思い出させていきたい。

教えてあげたい出来事について、様子や伝えたい気持ちを文章に書くために

 文章を書くことに、十分に慣れていない段階である。そのため、例文を提示し、その出来事についてどんなことが分かったか、話し合う場を設定する。共通題材で書く学習によって、どの児童も出来事の様子と、相手に伝えたい気持ちを文章に書くことができるようにしたい。

 児童の語彙を増やすために、「出来事の様子を表す言葉」「気持ちを表す言葉」を掲示した。言葉は、児童が書いた日記からや、生活科「おもちゃ祭りをしよう」での2年生の様子などから集めている。このような積み重ねから、児童に語彙を増やしていきたいと考えた。

学習指導計画と評価規準

学 習 活 動

●指導・支援 ◇評価

 

 

○教材のねらいを確かめ、学習の見通しをもつ。

 

●新しく入ってくる1年生に学校生活について教えてあげる文章を書く学習をすることを伝える。

◇関1年生に学校生活について教えてあげたいという気持ちをもって、意欲的に学習に取り組んでいる。

(発言・行動観察)

○例文を基に、共通題材で紹介文を書く。

●紹介文の文型や言い回しについて、例文を基に全体で確認する。

○出来事の様子を表す言葉。

○伝えたい気持ちを表す言葉。

●例文を基に、共通題材で紹介文を書く。

◇書紹介文の文型について分かり、紹介文を進んで書こうとしている。(発言・行動観察・カード)

○入学してからのことを振り返り、新1年生に教えてあげたいことを選ぶ。

 

●思い出す観点を提示する。

・行事などの写真を掲示する。

・発表された出来事を項目ごとに整理して板書する。

◇関新1年生に教えてあげるために、文章に書きたい出来事を選んでいる。(発言・行動観察・ノート)

(本時)

 

 

○教えてあげたい出来事について、様子や気持ちを思い出して文章に書く。(下書き)

 

●分かりやすく伝えるために、どんなことを書けばよいのか、必要なことをまとめて板書する。

※書き進められない児童には、教室に掲示した文例から助言する。

※「(いつ)には、~があります。」

○出来事の様子。

○伝えたい気持ち。 を書くように指示する。 

●児童の文章から、紹介文の言い回しについての良さを認め、次時に向けて児童の表現の幅を広げる。

●既習の漢字は使い、掲示する際に振り仮名をつけることを伝える。

◇書出来事の様子が伝わるように、つながりのある文章を書いている。(カード)

 

 

 

○書いた文章を読み返して修正する。

 

 

 

 

●4人グループで交換して読み合い修正する。

 [観点]

・よいところ

・文字の修正(誤字・句読点について)

(修正は、赤鉛筆でする。)

◇書書いた文章を読み返し、修正したり書き加えたりしている。(カード)

○カードに清書をする。

 

 

 

●丁寧な文字で書かせる。

●既習の漢字はなるべく使い、掲示する際は振り仮名をつける。

◇書修正したカードを基に、文章を完成させ、丁寧に清書している。(カード)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

○カードをグループで交換して読み合う。

 

○友達の紹介文の良かったところを見つけて伝え合う。

 

○何人かに発表させる。

 

○友達の紹介文の良かったところを発表させる。

 

●新しい1年生に伝わるように書けているかという観点で読み合うようにさせる。

 

●感想を伝える。(直接述べ合うだけでなく、用紙に書いて伝え合う。)(手紙形式)

 感想を声に出してから手渡すようにして、交流する場面を作る。

●グループの代表や、自ら発表したい児童、教師の指名などにより、何人かに発表させる。

◇書書いた文章を読み合い、出来事の様子や伝えたい気持ちがよく分かるところなど、良かったところを見つけて伝え合っている。 (発言・行動観察)

本時の学習 (4/9時)

 本時の目標

 教えてあげたい出来事について、様子や気持ちを思い出して文章に書くことができる。

学 習 活 動

●指導・支援 ◇評価

1 本時のめあてを確かめる。

あたらしい1年生にわかりやすくおしえてあげる文しょうをかこう。


2 例文を声に出して読み、出来事の様子や気持ちを伝えるために必要な事柄を確認する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3 1年生に伝える紹介文を書く。(下書き)

 

 

 

 

 

 

 

4 下書きをした紹介文を全体に発表する。

 

 

 

5 次時の学習内容を知る。

 

 

 

●第2時で、共通題材で書いた例文を読み、出来事の様子や気持ちについてどのように書いたか確認する。

・例文を確認する。

【書く観点・読み返す観点】

○(いつ)には、~があります。

出来事の様子

○伝えたい気持ち。

「~ですよ。」「~ですね。」などの文末の

 言い回し。

 

●書き進められない児童には、板書の内容や、教室に掲示した文例を振り返らせ、順に書かせるようにする。(机間巡視)

●書けたら、指で追って読み返すように指示する。

●1枚目が終わった児童は、2枚目を書くよう指示する。

◇書出来事の様子が伝わるように、つながりのある文章を書いている。(カード)

●2枚書いた児童の紹介文を、教師の指名で数人発表する。

●例文を振り返り、出来事の様子や伝えたい気持ちが書けているか確認する。

 

●次時の学習内容を伝える。