初任者研修レポート課題その④

初任者研修における講義内容とレポート内容を記載します。

参考になれば幸いです。数が多いので記事をいくつかに分けたいと思います。




学級経営の意義と課題

研修を通して学んだこと

 今回の研修では大きく分けて二つのことを学んだ。一つ目は学級経営について、二つ目は初任者としてのあり方についてである。

 学級経営とは全ての教育活動の基盤となるものであり、何よりも大事にしなくてはいけない。そのため私たちは日頃から学級経営の充実を目指す必要がある。児童を理解し、より良い関係をつくるため、児童相互のより良い人間関係を育むためにも学級経営を充実させなくてはならない。また教師が理想とする学級像を児童たちに理解してもらうためにも学級目標を掲げることは大事である。学校教育目標を実現するためには、意図的、計画的、組織的に教育活動を行うことが必要なのだ。そして、学級経営とはとても繊細なものであり慢心することなく誠心誠意取り組まなくてはいけない。そのためにも計画、実践、評価、改善というPDCAサイクルで自己をしっかりと見つめ向上させていく必要がある。

 私たちは初任者であり、周りの先生たちは全員先輩である。先輩の先生方と一緒に働く上で、先輩の先生方を敬い、良好な人間関係を目指すとともに、多くのことを学び吸収していかなくてはらない。日頃から気を遣い良好な人間関係を育むことで、学級経営や授業、保護者対応など色々な場面で壁にぶつかった時、先輩の先生方が手を差しのべてくれる。一人で悩みを抱え込まず、自分におごることなく組織の一員として働くことが大事である。また初任者として初めての通知表作成が始まる。通知表とは一生残るものであり、細心の注意のもと書かなくてはならない。どんなに短くても心がこもっていて、子供の良さを的確に伝えるものを目指す必要がある。

職務に生かそうと考えていること

 学級経営という大きなくくりの中に、いくつもの大事なポイントがつまっている。児童がよりよく健全に成長するためにも私たち教師側の努力や熱意が大事だと感じた。私たちにはそれだけの責任があるのだとあらためて感じた。ご講話を聞きはっとする場面がいくつもあり、夏休み明け疲れが出始めたこの時期に身も心も引き締めることが出来た。

 学級経営についてはチェックシートを行うことで自己を客観的に振り返ることが出来た。またPDCAサイクルは他の仕事にも活用できると思うので他の場面でも行っていきたい。




各教科における新聞活用について

研修を通して学んだこと

 新聞活用のねらいや意義、活用法を教わった。その上で私たちも実際に経験させて頂いた。

 新聞活用学習は昔からある学習法で多様な文章を読み、実生活に生かせるという面でPISA型読解能力の育成に役立つといわれている。また北区教育ビジョンにも一文が載り北区の職員として実際に取り組んでいかなくてはいけないものである。具体的には、国語、社会、道徳など各教科に用いることができ、方法としては、新聞活用学習・新聞作り学習・新聞機能学習などがある。

 私たちはその中で新聞作りを行った。興味のある記事から児童に伝えたいことをレイアウト、言葉を考える作業はとても楽しく時間があっという間に感じられた。作ったものは教室掲示として活用し児童たちにも新聞作りをぜひやらせてあげたいと思った。

学校教育の現状と課題

研修を通して学んだこと

 基本的なことで悩んでいないか。時間に追われていないか。相談できる相手はいるか。最初にこの3つを問われ、自分自身を省みる。些細なことで困っている自分や、帰りの会に慌ただしくしている自分が目に浮かび、はっとした。「分からないのが当たり前、失敗は恥ずかしいことではない」と教室で話しているにも関わらず、自分自身がそれをできていなかったのだと改めて気付かされた。まず、自分自身が実行する。矢口先生がおっしゃられていたように、まず教師が示していく必要があるのだ。自分ができないことを子どもに押しつける。そのようなことにならないためにも、自分自身が行動で示していけるようにならなければと思った。「分からないことは聞く。」当たり前のことだが、忘れずにいたい。

 また、読解力低下を向上していくために、読書活動を推進していくべきであるというお話があった。そして、そのためには、自らが良き読者になる必要があるという。私は、読書が非常に好きで、絵本を読むことも多い。この内容が書いてあるから、この学年の子どもの発達段階に合う本である、ということは分からなくても、本の感想を言ったりどの場面がどう心に残ったかを話したりすることは、今の私にもできることである。初めて図書の授業をした際、読み聞かせに目を輝かせていた子どもたちの姿を目にした。週に1回でも、自分が読んだ本を勧められる余裕を早く持ちたい。矢口先生がおっしゃっていた「教育活動は、子どもたちの成長のためにある」という言葉に少しでも近づけるよう、自分自身を成長させ、子どもたちと向き合っていきたい。

 次に、学力向上の1つ目に挙げられた「教材の工夫」に関してだが、教材研究の大切さについて非常に考えさせられた。もっと導入を工夫すれば良かった。まとめが分かりにくくなってしまったと後悔ばかりが残る。子どもの顔に靄がかかったような表情を見て、申し訳なくなってしまうことも多い。

 しかし、この後悔を次への糧にしようということだ。上手くいかなかったことをいつまでも引きづるのではなく、自分自身の課題として反省点を確認し、次回どのような展開をしていくかということに目を向けていこうと思う。「今、楽しいこと」を記入する欄に、私は「分かった」の声が聞けた瞬間と書いた。毎日、毎時間授業を行っていく中で、「分かった」の声が日に日に大きくなるような授業を目指していきたい。

 ただ、「今、困っていること」の欄に教材研究が追いつかないことと書いたのも事実だ。限られた時間の中で、いかに教材研究を行い、また、その他の仕事にも集中して取り組むかが今の課題である。子どもたちが興味・関心を抱くことができる工夫、分かることは楽しいことであるという実感が得られる授業作りに磨きをかけていきたいと強く思った。

特別支援教育

研修を通して学んだこと

 子どもたちの「困り感」を私は感じられているだろうか。この問いが、今回の研修を受けて最も強く心に残っていることである。クラスの中には、つい話を遮って自分のことを話そうとしてしまう子どもや自分の気持ちを上手く伝えられずに手が出てしまう子どもが何人かいる。そして、私はその子どもたちのことを、その瞬間「困った子」だと感じていたかもしれないと思い返し、はっとした。しかし、実際は私の話が子どもを惹きつけるに到っていなかったのかもしれないし、伝えられないもどかしさの中で身動きが取れなくなった末の行為だったのかもしれない。今冷静になって振り返ってみると、それらの子どもたちにとっての対処行動だったとも思える。そして、それが「困り感」なのだろう。子どもたちに問題があるのではなく、自分自身に問い直す必要性を感じた。子どもたちがそれぞれに抱いている「困り感」に思いを寄せられる教師でありたいと強く思う。加えて、困っているのは発達障害の子どもだけではないという話にも、改めて考えさせられた。障害の有無に関わらず、誰もが「困り感」を抱くものとして捉えられるような心を常に持ち得ていたい。

 また、発達障害の子どもに対する基本的な対応についてのお話の中で、「いいところ応援計画」というお話があった。クラスの中で、あるいは個人の中でマイナスの面を減らそうと声掛けをし、指導していくのではなく、プラスの面に目を向けて、それを伸ばしていくというものである。ただ、頭では分かっていても、ついマイナスの面に目が行きがちな部分もあるというのが今の自分自身の現実だ。子どもたちの中で起こるトラブルについても、無意識にトラブルを起こしてしまった子どもに意識が向いてしまい、それを止めようとしてくれた子どもの存在や急いで知らせに来てくれた子どもの存在がないがしろになってしまったことが何回かある。時間が経ち、振り返ってみると良い働きをしてくれた子どもたちの存在に気付き後悔することも多い。「いいところ応援計画」。この言葉を聞いて、上手くいかなかったことを思い出すのではなく、自分自身も実践できているという自信が持てるようになりたいと思った。

 先生が、「最初から怠けている子どもはいない」とおっしゃられていた。怠けているように見えるのは、与えられた課題がその子どもの発達段階に合っていないということに大人が気付かずに見過ごしてしまった結果なのだという。確かに、課題が簡単であれば力を抜いてしまうだろうし、難しければやる気を失ってしまうだろう。子どもたちの発達段階に合った課題は、そのままやる気にもつながっていくのだということを改めて考えさせられた。しかし、この点についても、発達障害の子どもに限ったことではなく、どの子どもにもあてはまることであるということは、常に忘れずにいたい。障害があるから特別なのではない。障害がなくても困っている子どもたちはたくさんいる。当たり前のことなのかもしれないが、このことを忘れず、私は子どもたちの「困り感」に少しでも思いを寄せ、関わっていこうと思った。