4年生 世界一美しいぼくの村 学習指導案




単元名

読書会を開こう「世界一美しいぼくの村」

単元の目標

つながりのある物語を読み、中心となる事柄や、表現の細かい点に着目して物語のつながりを考えたり、言葉を引用して感想を伝えたりすることができる。

評価規準

国語に対する

関心・意欲・態度

読むこと

書くこと

言語についての

知識・理解・技能

 つながりのある物語を読み、読んだ本の面白さを読書会で伝えようとしている。

 人物の気持ちやその後の展開について、叙述をもとに想像しながら読んでいる。C【読むこと】(1)ウ

 中心となる事柄、表現の細かい点に着目して読み、二つの物語のつながりを考えたり言葉を引用して感想を伝えたりしている。C【読むこと】(1)エ

 物語をより深く味わうために、つながりのある物語を読んでいる。C【読むこと】(1)カ

 書いた文章を推敲し、よりよい表現に書き直している。B【書くこと】(1)オ

 理解したり表現したりするために、必要な語句を増やしている。伝国(1)イ(オ)




単元(題材)設定の理由

 児童の実態

 6月単元の「走れ」では、主人公ののぶよの気持ちの変化と気持ちが変わった理由について、文章中から読み取り、互いに伝え合うことができている児童が多かった。

11月に行った「ごんぎつね」の学習では、ごんと兵十の関わりについて読み取った。主人公のごんの気持ちの変化をとらえるために、ワークシートを活用し、気持ちが表れている文章をワークシートに抜き出す活動を行ったが、ごんの気持ちが表れている文章がうまく抜き出せない児童がいた。

 1月に行った「くらしの中の和と洋」では、引用の方法について学習した。「〇〇によると~」とどこに書かれているか書いて引用するという文章の型を理解することができたが、本の内容に自分の考えを付け加えることはうまくできない児童がいた。

 教材(題材)観

 児童の実態を踏まえ、本学級では、文章を読んで、どのようなことが書かれているか、文脈から内容を読み取り、感想を伝える力を高めることが必要である。

 本単元では、つながりのある物語を読むことで、それぞれの物語の理解を深めたい。さらに読書会につなげることで、自分の感じたことを友達同士伝え合う力を高め、読書を楽しむ態度を身につけさせたい。

 本教材は、アフガニスタンに住む少年、ヤモの一日を取りあげ、その日々の生活が戦争により破壊される悲惨さを感じさせる物語である。最後の一文で物語が大きく展開し、読み手に強い印象を残す。感想を交流することに適した教材である。また、三部作となっている「ぼくの村にサーカスが来た」「世界一美しい村へ帰る」といった同じシリーズの作品を併せて読むことで、より深く内容を理解するとともに、新たな読書のおもしろさを感じることができる。

 指導観(手だて)

最後の一文に着目させる

 第2時から第4時まで、ヤモの気持ちについて考えていく。教科書に2色のサイドラインを引かせ、その時ヤモがどんな気持ちであるか考えることで、内容を読み取っていく。また、例文の紹介を行う事で、ヤモの気持ちについて、本文の叙述をもとに考えることができると考えた。

挿絵を掲示する。

 第4時では、父さんとヤモが写っている挿絵、春、夏の破壊される前のパグマンの村の挿絵、破壊された後の挿絵を掲示する。挿絵を掲示することで、本文の理解を助けることになると考えた。

学習指導計画と評価規準

学 習 活 動

●指導・支援 ◇評価

〇「世界一美しいぼくの村」を通読し、学習の見通しを立てる。

 

●読んだ本のおもしろさを紹介する読書会を行うために、つながりのある物語を読むという学習課題を確かめる。

◇[関]つながりのある物語を読み、読んだ本のおもしろさを読書会で伝え合おうとしている。

〇パグマンの村を思うヤモの気持ちについて読み取る。

 

●文章中から、パグマンの村を思うヤモの気持ちを読み取り、教科書に赤色で線を引く。

●ヤモの気持ちをワークシートにまとめ、発表する。

◇[読]行動や会話などの叙述をもとに、ふるさとを思うヤモの気持ちを読み取っている。

 

〇家族を思うヤモの気持ちについて読み取る。

 

●文章中から、家族を思うヤモの気持ちを読み取り、教科書に青色で線を引く。

●ヤモの気持ちをワークシートにまとめ、発表する。

◇[読]行動や会話などの叙述をもとに、家族を思うヤモの気持ちを読み取っている。

 

4(本時)

〇村が破壊された後のヤモの気持ちを考える。

 

●ヤモの気持ちをワークシートにまとめる。

●ヤモの気持ちについて交流すし、発表する。

・前時までの学習内容を掲示しておく。

◇[読]物語の最後の一文について、主人公の気持ちについて伝え合い、一人一人の感じ方に違いがあることに気づくことができる。

〇「世界一美しい村へ帰る」を読み、物語中の時や人物と場所をとらえる。

 

●誰が出てきたか、物語の舞台はどこかを考え、「世界一美しいぼくの村」とつながっていることに気づく。

●ワークシートに、物語中の人物と場所をまとめる。

◇[読]物語をより深く味わうために、場面の様子を想像しながら、つながりのある物語を読んでいる。

 

〇「世界一美しい村へ帰る」を読み、物語の大体をとらえる。

 

●物語のあらすじについて、短い文にまとめる。

◇[読]二つの物語のつながりを考えながら、物語の大体をとらえることができた。

〇「世界一美しいぼくの村」と「世界一美しい村へ帰る」の二つの物語を読んで、分かったことを整理する。

〇二つの物語を読んだ感想を交流する。

 

●それぞれの物語ごとにわかったことを整理させる。

●ヤモとパグマンの村について、二つの話を読んでわかったことをワークシートにまとめさせる。

◇[読]二つの物語のつながりを考えながら、感想をワークシートにまとめ、グループで交流することができる。

8・9

〇つながりのある物語を読み、読書会で紹介したい本を選ぶ。

〇本と本のつながりや自分の感想の変化などを整理する。

●図書館からの団体貸出で本を借りて、借りた本を置いておく。

●つながりのある物語を複数読むことでの感想の変化や心に残ったことを記録させる。

◇[読]中心となる事柄や、表現の細かい点に着目して読み、物語のつながりについて考えている。

10・11

〇印象に残った言葉やそれに対する自分の思いなどを読書会に向けて記録させる。

 

●紹介しやすいように、シリーズ名や、書名、作者名、あらすじ、心に残った言葉、つながりを見つけたところなどを書きこませる。

●本を紹介するための話型を示し、練習させる。

◇[書]書いた文章を推敲し、よりよい表現に書き直している。

◇[書]理解したり表現したりするために、必要な語彙を増やしている。

12・13

〇自分が読んだつながりのある物語を紹介する読書会を開く。

 

●複数の物語を読むことで詳しく分かることや特に印象に残った文章や言葉を取り上げて紹介をさせる。

●司会を決めて進行させる。進行例を例文として用意して、活用できるようにする。

●一つの物語だけを読んだ時とどう変わったを考えさせる。

◇[読]物語のつながりや印象に残った言葉などを伝え合い、それぞれの感じ方の違いに気付いている。

◇[話聞]理由や事例を挙げながら、読んだ本のおもしろさを筋道立てて話している。

◇[話聞]友達の紹介を聞き、質問したり感想を述べたりしている。

本時の学習 (4/13時)

本時の目標

物語の最後の一文について、主人公の気持ちについて書いたことを伝え合い、一人一人の感じ方に違いがあることに気づくことができる。

展開

学 習 活 動

●指導・支援 ◇評価

1 本時のめあてを確かめる。

村がはかいされた後のヤモの気持ちについて考えよう


2 最後の一文を読み、ヤモの気持ちをワークシートに書く。

 

 

 

 

 

3 ワークシートに書いた内容について、グループで伝え合う。

 

4 全体で発表する。

 

 

 

 

 

 

5 ヤモたちのその後を書いた話があることに触れる。

●前時で話し合ったパグマンの村や家族を思うヤモの気持ちを振り返り、本時のめあてを確かめる。

 

●最後の一文を読み、「はかい」という言葉に触れる。

 

●教師の書いた例文を紹介する。

・挿絵や前時までの学習内容を教室に掲示する。

・手がつかない児童には、第2・3時に線を引かせたところをもとに考えさせる。

●どこのページをもとに考えたのかを友達に伝えさせる。

 

●書いたことを全体で発表させる。

●友達の発表を聞いて、よいと思った意見は書き足すように勧める。

・村だけでなく、そこに住む人々の生活も破壊されたことを押さえる。

・「悲しい」といった気持ちだけでなく、未来への気持ちや、家族を心配する気持ちを書いていた児童を取り上げる。

◇[読]物語の最後の一文について感想を交流し、さまざまな考えがあることに気づいている。(ワークシート・発言)