体育科「ゲーム領域」の系統性

小学校~中学校の体育「ゲーム」領域の系統性まとめです。




身に付けさせたい力の系統性 技能

ゴール型 目標

小学1・2年

ボールゲームでは、簡単なボール操作やボールを持たないときの動きによって、的に当てるゲームや攻めと守りのあるゲームをすること。

小学3・4年

ゴール型ゲームでは、基本的なボール操作やボールを持たないときの動きによって、易しいゲームをすること。

小学5・6年

ゴール型では、簡易化されたゲームで、ボール操作やボールを受けるための動きによって、攻防をすること。

中学1・2年

ゴール型では、ボール操作と空間に走り込むなどの動きによってゴール前での攻防を展開すること。

中学3年

ゴール型では、安定したボール操作と空間を作り出すなどの動きによってゴール前への侵入などから攻防を展開すること。

ゴール型 具体的内容

小学1・2年

攻撃
シュートにつながる動き

・鬼遊びでは、一定の区域で、逃げる、追いかける、陣地を取り合うなどをすること。

・ねらったところに穏やかにボールを投げたり、転がしたり、蹴ったりすること

キープにつながる動き

・ボールを捕ったり止めたりすること。

・ボールが飛んだり、転がったりしてくるコースに入ること。

パスにつながる動き

・ボールを操作できる位置に動くこと。

ボールを持たない動き

・相手(鬼)にタッチされたり、自分のマーク(タグやフラッグ)を取られたりしないように、逃げたり身をかわしたりすること。

・相手(鬼)のいない場所に移動したり、駆け込んだりすること。

守備

・2・3人で連携して、相手(鬼)をかわしたり走り抜けたりすること。

・逃げる相手を追いかけてタッチしたり、マーク(タグやフラッグ)をとったりすること。

小学3・4年

攻撃
シュートにつながる動き

・ボールを持ったときに、ゴールに体を向けること。

パスにつながる動き

・味方にボールを手渡したり、パスを出したりすること。

守備

・ボール保持者と自分の間に守備者がいないように移動すること。

小学5・6年

攻撃
シュートにつながる動き

・得点しやすい場所に移動し、パスを受けてシュートなどをすること。

キープにつながる動き

・相手にとられない位置でドリブルすること。

パスにつながる動き

・近くにいるフリーの味方にパスを出すこと。

ボールを持たない動き

・得点しやすい場所に移動し、パスを受けてシュートなどをすること。

・ボール保持者と自分の間に守備者を入れないように立つこと。

守備

・ボール保持者とゴールの間に体を入れて相手の得点を防ぐこと。

中学1・2年

攻撃
シュートにつながる動き

・ゴール方向に守備者がいない位置でシュートをすること。

キープにつながる動き

・パスやドリブルなどでボールをキープすること

パスにつながる動き

・マークされていない味方にパスを出すこと。

・得点しやすい空間にいる味方にパスを出すこと

ボールを持たない動き

・パスを受けるために、ゴール前の空いている場所に動くこと。

・ボールとゴールが同時に見える場所に立つこと。

守備

・ボールを持っている相手をマークすること。

中学3年

攻撃
シュートにつながる動き

・ゴールの枠内にシュートをコントロールすること。

・守備者が守りにくいタイミングでシュートを打つこと。

キープにつながる動き

・守備者とボールの間に自分の体を入れてボールをキープすること。

パスにつながる動き

・味方が操作しやすいパスを送ること。

・パスを出した後に次のパスを受ける動きをすること。

ボールを持たない動き

・ゴール前に広い空間を作り出すために、守備者を引き付けてゴールから離れること。

守備

・ボール保持者が進行できる空間を作り出すために、進行方向から離れること。

・ゴールとボール保持者を結んだ直線上で守ること。

・ゴール前の空いている場所をカバーすること。

ネット型 目標

小学1・2年

ボールゲームでは、簡単なボール操作やボールを持たないときの動きによって、的に当てるゲームや攻めと守りのあるゲームをすること。

小学3・4年

ネット型ゲームでは、ラリーを続けたり、ボールをつないだりして易しいゲームをすること。

小学5・6年

ネット型では、簡易化されたゲームで、チームの連携による攻撃や守備によって、攻防をすること。

中学1・2年

ネット型では、ボールや用具の操作と定位置に戻るなどの動きによって空いた場所をめぐる攻防を展開すること。

中学3年

ネット型では、役割に応じたボール操作や安定した用具の操作と連携した動きによって空いた場所をめぐる攻防を展開すること。

ネット型 具体的内容

小学1・2年

攻撃
打つ動き

・ねらったところに緩やかにボールを投げたり、転がしたり、蹴ったりすること。

・ボールを捕ったり止めたりすること。

・ボールが飛んだり、転がったりしてくるコースに入ること。

つなぐ動き

・ボールを操作できる位置に動くこと。

ボールを持たない動き(鬼遊び)

・鬼遊びでは、一定の区域で、逃げる、追いかける、陣地を取り合うなどをすること。

・相手(鬼)にタッチされたり、自分のマーク(タグやフラッグ)を取られたりしないように、逃げたり身をかわしたりすること。

・相手(鬼)のいない場所に移動したり、駆け込んだりすること。

・2・3人で連携して、相手(鬼)をかわしたり走り抜けたりすること。

・逃げる相手を追いかけてタッチしたり、マーク(タグやフラッグ)をとったりすること。

小学3・4年

攻撃
打つ動き

・いろいろな高さのボールを片手又は両手ではじく、打ち付けるなどして、相手のコートに返球すること

ボールを持たない動き

・ボールの方向に体を向けたり、ボールの落下点やボールを操作しやすい位置に体を移動したりすること。

小学5・6年

攻撃
打つ動き

・自陣のコート(中央付近)から相手コートに向けサービスを打ちいれること。

・相手コートにボールを打ち返すこと。

つなぐ動き

・味方が受けやすいようにボールをつなぐこと。

ボールを持たない動き

・ボールの方向に体を向けて、その方向に素早く移動すること。

中学1・2年

攻撃
打つ動き

・サービスでは、ボールやラケットの中心付近でとらえること。

・ボールを返す方向にラケット面を向けて打つこと。

・相手側のコートの空いた場所にボールを返すこと。

・テイクバックをとって肩より高い位置からボールを打ち込むこと。

つなぐ動き

・味方が操作しやすい位置にボールをつなぐこと。

ボールを持たない動き

・相手の打球に備えた準備姿勢をとること。

・ボールを打ったり受けたりした後、ボールや相手に正対すること。

ポジションとしての動き

・プレイを開始するときは、各ポジションの定位置に戻ること。

中学3年

攻撃
打つ動き

・サービスでは、ボールをねらった場所に打つこと。

・ボールを相手側のコートの空いた場所やねらった場所に打ち返すこと。

・腕やラケットを強く降って、ネットより高い位置から相手側のコートに打ち込むこと。

つなぐ動き

・攻撃につなげるための次のプレイをしやすい高さと位置にボールを上げること。

ボールを持たない動き

・ゴールとボール保持者を結んだ直線上で守ること。

ポジションとしての動き

・ポジションの役割に応じて、拾ったりつないだり打ち返したりすること。

・連携プレイのための基本的なフォーメーションに応じた位置に動くこと。

守備

・ラリーの中で、味方の動きに合わせて空いている場所をカバーすること。

・ネット付近でボールの侵入を防いだり、打ち返したりすること。

ベースボール型 目標

小学1・2年

ボールゲームでは、簡単なボール操作やボールを持たないときの動きによって、的に当てるゲームや攻めと守りのあるゲームをすること。

小学3・4年

ベースボール型ゲームでは、蹴る、打つ、捕る、投げるなどの動きによって、易しいゲームをすること。

小学5・6年

ベースボール型では、簡易化されたゲームで、ボールを打ち返す攻撃や隊形をとった守備によって、攻防をすること。

中学1・2年

ベースボール型では、基本的なバット操作と走塁での攻撃、ボール操作と定位置での守備などによって攻防を展開すること。

中学3年

ベースボール型では、安定したバット操作と走塁での攻撃、ボール操作、連携した守備などによって攻防を展開すること。

ベースボール型 具体的内容

小学1・2年

攻撃
打つ動き

・ねらったところに穏やかにボールを投げたり、転がしたり、蹴ったりすること。

・ボールを捕ったり止めたりすること

守備
捕る動き

・ボールが飛んだり、転がったりしてくるコースに入ること。

・ボールを操作できる位置に動くこと。

ボールを持たない動き(鬼遊び)

・鬼遊びでは、一定の区域で、逃げる、追いかける、陣地を取り合うなどをすること。

・相手(鬼)にタッチされたり、自分のマーク(タグやフラッグ)を取られたりしないように、逃げたり身をかわしたりすること。

・相手(鬼)のいない場所に移動したり、駆け込んだりすること。

・2・3人で連携して、相手(鬼)をかわしたり走り抜けたりすること。

・逃げる相手を追いかけてタッチしたり、マーク(タグやフラッグ)を取ったりすること。

小学3・4年

攻撃
打つ動き

・ボールをフェアグラウンド内に蹴ったり、打ったりすること。

走塁の動き

・ベースに向かって走り、かけ抜けること。

守備
投げる動き

・投げる手と反対の足を一歩踏み出してボールを投げること。

捕る動き

・向かってくるボールの正面に移動すること。

小学5・6年

攻撃
打つ動き

・止まったボールや易しく投げられたボールをバットでフェアグラウンド内に打つこと。

走塁の動き

・塁間を打球の状況に応じて走塁すること。

守備
投げる動き

・捕球する相手に向かって、オーバーハンドで投げること。

捕る動き

・打球方向に移動し、捕球すること。

中学1・2年

攻撃
打つ動き

・投球の方向と平行に立ち肩越しにバットを構えること。

・地面と水平になるようにバットを振り抜くこと。

・タイミングを合わせてボールを打ち返すこと。

走塁の動き

・全力で走りながら、タイミングを合わせて塁を駆け抜けること。

・減速したり反転したりして塁上に止まること。

守備
投げる動き

・投げる腕を後方に引きながら足を踏み出して大きな動作でボールを狙った方向に投げること。

捕る動き

・ボールの正面に回り込んで、ゆるい打球を取ること。

ボールを持たない動き

・守備位置から塁上へ移動して、正面の送球を受けること。

・捕球しやすい守備位置に繰り返し立ち守備姿勢をとること。

・ポジションの役割に応じてベースカバーやバックアップの基本的な動きをすること。

中学3年

攻撃
打つ動き

・体の軸を安定させてバットを振り抜くこと。

・ボールの高さやコースなどにタイミングを合わせてボールをとらえること。

・ねらった方向にボールを打ち返すこと。

走塁の動き

・スピードを落とさずに円を描くよう塁間を走ること。

・打球の状況に応じた塁のまわり方で塁を進んだり戻ったりすること。

守備
投げる動き

・ねらった方向へステップを踏みながら無駄のない一連の動きでボールを投げること。

捕る動き

・捕球場所へ最短距離で移動して、相手の打ったボールを捕ること。

ボールを持たない動き

・仲間の送球に塁上でタイミングよくボールを受けたり、中継したりすること。

・打球や走者の位置に応じて、中継プレイに備える動きをすること。

・味方からの送球を受けるために、走者の進む先の塁に動くこと。

・ポジションに応じて、ダブルプレイに備える動きをすること。




態度

小学1・2年

①運動に進んで取り組み、きまりを守り仲良く運動したり、勝敗を受け入れたり、場の安全に気を付けたりすることができるようにする。

②ボールゲームや鬼遊びに進んで取り組むこと。

③運動の順番やきまりを守り、仲良くゲームすること。

④用具の準備や片付けを一緒にすること。

⑤危険物がないか、ゲームをする場が十分にあるかなどの場の安全に気を付けること。

小学3・4年

①運動に進んで取り組み、規則を守り仲良く運動したり、勝敗を受け入れたり、場や用具の安全に気を付けたりすることができるようにする。

②ゴール型ゲームやネット型ゲーム、ベースボール型ゲームに進んで取り組むこと。

③規則を守り、友達と励ましあって練習やゲームをしたり、ゲームの勝敗の結果を受け入れたりすること。

④用具の準備や片付けを友達と一緒にすること。

⑤場の危険物を取り除いたり、用具の安全を確かめたりすること。

小学5・6年

①運動に進んで取り組み、ルールを守り助け合って運動したり、場や用具の安全に気を付けたりすることができるようにする。

②ゴール型ゲームやネット型ゲーム、ベースボール型ゲームに進んで取り組むこと。

③ルールやマナーを守り、友達と助け合って練習やゲームをすること。

④用具の準備や片付けで分担された役割を果たすこと。

⑤場の危険物を取り除いたり場を整備したりするとともに、用具の安全に気を配ること。

中学1・2年

①球技に積極的に取り組むとともに、フェアなプレイを守ろうとすること。分担した役割を果たそうとすること。作戦などについての話し合いに参加しようとすることなどや、健康、安全に気を配ることができるようにする。

②規定の範囲で勝敗を競うといったルールや相手を尊重するといったマナーを守ったり、相手の健闘を認めたりして、フェアなプレイに取り組もうとすること。

③練習やゲームの際に、用具の準備や後片付け、記録や審判などの分担した役割に積極的に取り組もうとすること。

④チームなどの課題の解決に向けて、自ら考えを述べるなど積極的に話合いに参加しようとすること。

⑤体調の変化などに気を配ること、ボールやラケット、バットなどの用具の扱い方やゴールやネットの設置状態、練習場所などの自己や仲間の安全に留意すること、技の難易度や自己の技能.体力の程度に合った運動をすることが大切であること。

中学3年

①球技に自主的に取り組むとともに、フェアなプレイを守ろうとすること。事故の責任を果たそうとすること。作戦などについての話し合いに貢献しようとすることなどや、健康、安全を確保することができるようにする。

②決められたルールやマナーを単に守るだけでなく、練習やゲームで求められるフェアな行動を通して、相手を尊重するなどのフェアなプレイを大切にしようとすること。

③練習や試合の進行などで、審判や記録、キャプテンなどの仲間と互いに合意した役割に責任をもってかかわろうとすること。

④チームの課題の解決に向けて、自己の考えを述べたり、相手の話を聞いたりするなど、チームの話し合いに責任をもってかかわろうとすること。

⑤仲間や相手チームの技能の程度や体力に応じて力を加減すること、ゴール。ネット、ボールなどの用具を目的に応じて使用すること、練習場所の安全を確認しながら練習やゲームを行うこと、気温の変化に応じて準備運動などを十分に行うこと、自己の体調や技能、体力の程度に応じて練習することなどを通して、健康を維持したり事故や仲間の安全を保持したりすること。

思考・判断

小学1・2年

①簡単な規則を工夫したり、攻め方を決めたりすることができるようにする。

②ボールゲームや鬼遊びの行い方を知り、楽しくゲームができる場や得点の方法など規則を選ぶこと。

③ボールゲームや鬼遊びの動き方を知り、攻め方を見付けること

小学3・4年

①規則を工夫したり、ゲームの型に応じた簡単な作戦を立てたりすることができるようにする。

②ゴール型ゲームやネット型ゲーム、ベースボール型ゲームの行い方を知り、楽しくゲームを行うことができるプレーヤーの数やコートのつくり、プレー上の制限、得点の仕方、ゲームの練習をするときの規則などを選ぶこと。

③ゲーム型の特徴に合った攻め方を知り、簡単な作戦を立てること。

小学5・6年

①ルールを工夫したり、自分のチームの特徴に応じた作戦を立てたりすることができるようにする。

②ゴール型やネット型、ベースボール型の楽しいゲームの行い方を知り、プレーヤーの数、コートの広さ、プレー上の制限、得点の仕方などのルールを選ぶこと。

③チームの特徴に応じた攻め方を知り、チームの特徴に応じた作戦を立てること。

中学1・2年

①球技の特性や成り立ち、技術の名称や行い方、関連して高まる体力などを理解し、課題に応じた運動の取り組み方を工夫できるようにする。

②ボール操作やボールを持たないときの動きなどの技術を身に着けるための運動の行い方のポイントを見付けること。

③学習した安全上の留意点を他の練習場面や試合場面に当てはめること。

④自己やチームの課題を見付けること。

提供された練習方法から、自己やチームの課題に応じた練習方法を選ぶこと。

仲間と協力する場面で、分担した役割に応じた協力の仕方を見付けること

中学3年

①技術の名称や行い方、体力の高め方、運動観察の方法などを理解し、自分の課題に応じた運動の取り組み方を工夫できるようにする。

②提供された作戦や戦術から自己のチームや相手チームの特徴を踏まえた作戦や戦術を選ぶこと。

③健康や安全を確保するために、体調に応じて適切な練習方法を選ぶこと。

④仲間に対して、技術的な課題や有効な練習方法について指摘すること。

球技を継続して楽しむための自己に適したかかわり方を見付けること。

作戦などの話し合いの場面で、合意を形成するための適切なかかわり方を見付けること。