幼・小・中間の円滑な接続を重視した係活動の指導について




幼・小間の円滑な接続を重視した係活動の指導

幼稚園では

まず、活動に取り組みたい子供から始め、だんだんとクラス全体に伝えていきます

必要感を大事に育てる

家では自分以外の人がしてくれることも、集団生活では自分たちがしていかなければ生活が営めません。それらの活動を意識化させ、子供に必要感を育てていきます。

・飼育動物がいれば、えさをやったり、小屋を掃除したりすること

・食事の時に、場を整えたり用意したりすること、片付けること

子供の取り組みたい気持ちを大事に

当番活動を意識させるために、活動に関心をもって取り組んでいる子供を大事にします。まずは、教師が、子供と一緒に当番活動をしながら、その子供の気持ちを認めていきます。

自分も手伝ってみたいという子供がいたら順番に当番活動に取り組ませていきます。そして、だんだんとクラス全員に参加を促していきます。

幼・小の円滑な接続のための留意点

 1 児童の必要感を大切にする

・係活動は日常の学級生活に密接に関わる役割分担であり、やらなければならない当番活動とは異なる。児童の必要感から設置されるようにする。

・一人一人の児童が自分たちでつくったという意識がもてるように、児童による話合いを通して構成された組織とする。

2 自己有用感や充実感がもてるような組織を工夫する

・学級全員が何らかの役割を分担し、学級の一員として認められ、みんなから必要とされている認識をもつなどの自己有用感がもてるようにする。

・仲間と共に活動をしているという充実感がもてるようにする。

小学校低学年での指導

指導のねらい

学級生活を楽しくするために必要な仕事を見付け、友達と仲良く助け合って活動することができるようにする。

① 1年生 初めの頃 仕事の発見

初めの頃は、どのような仕事が学級生活に必要かを発見させる。その仕事が当番的であったり、簡単なものであったりしても、全員が何らかの係を担当できるようにして、活動を行わせる。

活動例

窓係・・・朝、窓を開け、帰りに閉める。

黒板係・・・休み時間に黒板をきれいにする。

金魚係・・・学級で飼っている金魚にえさをやる。

② 1年生 中頃 友達と協力して

徐々に友達と協力して、少人数で構成された係で仲よく助け合って活動できるようにする

③ 2年生 創意工夫して

経験を積み重ねるにしたがって、児童の創意工夫の余地の少ない当番活動から、児童の創意工夫が生かされ、協力して取り組めるような係の活動を増やしていくように指導する。

活動例

歌係・・・朝の会で歌う歌を決める。

お話係・・・朝の会でみんなにお話を読む。

遊び係・・・休み時間に遊ぶ遊びを決めて、みんなで遊ぶ。




小・中間の円滑な接続を重視した係活動の指導について

小学校高学年では

指導のねらい

学級生活をより豊かにするために、創意工夫して効率的に係活動を進めることができるようにする。

係活動【小学校における係活動の指導のポイント】

○学級の目標を達成するための係活動を設定する。

○児童の創意・工夫を生かした係活動を設定する。

○係活動を実施する時間を確保する。

○係活動を実施する上の課題と改善についての話合いの場を設定する。

高学年では、学級での生活を充実・向上させるために、これまでの経験を生かしたり、創意工夫したりしながら、係活動の組織づくりや運営に関する内容を考え、実行します。当番的な仕事は係の活動の一部とするなどして、児童が創意工夫できるようにします。

活動例

読書係・・・学級のみんなにお勧めの本を朝の会で紹介する。

レクリエーション係・・・学級全員での遊びを企画・運営する。

新聞係・・・学級の出来事を新聞にまとめて定期的に発行する。

小・中の円滑な接続のための留意点

1 ガイダンス機能の充実

・特に入学期や新学期など新しい生活の開始時期に、これからの生活に対して、生徒が十分な情報を得て、見通しをもって学校生活に積極的に取り組む意欲がもてるよう、ガイダンス機能を充実させる。

【例】学級内の組織をつくり、組織としての活動を円滑に実施するために、学級としての努力目標や組織をつくる必要性やねらい、活動の内容や方法などを生徒に十分に理解させる。

2 自己肯定感や自己有用感の高揚

・学級の成員全員に何らかの役割を分担させ、集団の一員としてとしてよりよい生活づくりに参画していることを実感させる。また、よりよい学級にするために生徒が創意工夫したり、自己の役割に対する責任と喜びを感じたりすることができる機会をつくる。

【例】小学校の学級活動で経験した話合いの方法や役割分担などの方法を生かし、よりよい学級や学校の生活づくりに必要な係を創意工夫させる。

中学校では

指導のねらい

学級内で必要な仕事について考え、それを学級の成員が分担することの意義を理解し、協力して生活していこうとする態度を育てる。

学級の一員という自覚と責任をもち、他の生徒と協力して、自主的、自律的に活動できるようにする。

○自主的・自発的な活動となるよう、活動の内容や方法を、生徒に十分説明しましょう。生徒の自主的・自発的な活動は積極的に評価しましょう。

○生徒の創意工夫を生かした活動となるよう、教員が働きかけましょう。

○一人一人が役割を果たせるように工夫しましょう。

○学級目標達成のため、学級の係としてどのようなものが必要か学級で話し合って検討しましょう

活動例

教科係

・授業に関わる教員との連絡や連絡事項の学級への周知などを行う。

・周知方法を工夫する。

新聞係

・学級の出来事やお知らせなど、生徒の自主的・自発的な活動について学級新聞にまとめ、定期的に発行する。

学習係

・忘れ物調べや忘れ物をなくすための声かけをする。

・定期考査の予想問題を作成する。

・学習環境を整備する。

掲示係

・掲示物の企画作成や掲示をする。

・黒板の記入等(予定、委員会・係からのお知らせ等)をする。