目次
幼・小間の円滑な接続を重視した話合い活動の指導
幼稚園では
指導のねらい
・経験したことや考えたことなどを自分なりの言葉で表現し、相手の話す言葉を聞こうとする意欲や態度を育て、言葉に対する感覚や言葉で表現する力を養う。
・他の人々と親しみ、支え合って生活するために、自立心を育て、人と関わる力を養う。
幼稚園における「人間関係」「言葉」の指導内容
○きまりの必要性などに気付き、自分の気持ちを調整する。
○互いに思いを主張し、折り合いを付ける。
○自分の思いを言葉で伝える。
○教師や他の幼児などの話を興味をもって注意して聞く。
○言葉による伝え合いができるようにする。
・幼児が自分の思いを言葉で伝えるとともに、教師や他の幼児などの話を興味をもって聞くことを通して、次第に話を理解するようにし、言葉による伝え合いができるようにしていきます。
・ 互いに思いを主張しながらも、折り合いを付ける体験を通して、自分の思いが受け入れられないこともあることに気付き、自分の気持ちを調整する力が育つようにしていきます。
活動例
・みんなで力を合わせて、小学校すごろくを作ってあそぼう
・みんなで力を合わせて劇を創ろう
・みんなで力を合わせて、なかよしタワーの飾り付けをしよう
・当番の仕事を引き継ごう
円滑な接続のための留意点
1 発達段階に応じた自発的・自治的な活動の積み重ね
・幼児期の教育では、遊びの中から、幼児にルールやきまりを決めさせたりする。幼児の思いや考えから豊かな学びを展開していくなどといった幼児期の教育の方法を、小学校において、児童の発達の段階や各教科等の指導の目標や内容に応じ、取り入れていく。
2 規範意識を育てる
・与えられた課題について友達と助け合いながら、自分が果たすべき役割(学習や仕事)をしっかり果たすといった規範意識を育て、楽しく充実した集団生活ができるような活動を計画的に進める。
小学校低学年では
指導のねらい
学級や生活を楽しくするために話し合い、自己の役割や集団としてのよりよい方法などについて考え、判断し、仲良く助け合って実践できるようにする。
① 1年生始めの頃 教師が行う司会、記録を実際に見て理解
始めの頃は、教師が話合いの司会、記録を行い、児童が話合いの進め方を実際に見て、理解できるようにする。
活動例
「係を決めよう」
学級生活に、どのような仕事が必要かを発見させる。全員が何らかの係を担当する。
「みんなであそぼう」
学級全体で一つの遊びを決め、実際にみんなで遊ぶ。
② 1年生中頃 教師の助けを借りながら自分たちで話合いを進行
司会や記録の役割の一部を児童に任せ、教師の助言を受けながら、話合いの進め方を、実践を通して身に付けるようにする。
活動例
「お楽しみ集会をしよう」
教師の助言を受けながら、行う内容を決める。役割分担を通して、全員が何らかの仕事を担当する。
「学級の生きものの名まえを決めよう」
金魚など、飼っている生き物の名前を決める。
③ 2年生 教師の適切な指導のもと、自分たちで仲よく助け合って話合いを進行
教師の適切な指導のもと、自分たちで仲良く助け合って、話合いを進行する。児童の実態によっては、話合い活動の計画を作成する計画委員会を組織して、運営できるようにすることもある。
活動例
「学級の歌をつくろう」
よりよい学級にするために、歌詞となる言葉をみんなで考え、学級の歌を作り上げる。
「よんだ本のお話会をしよう」
幼稚園や保育所などの経験を生かして、児童が創意工夫したお話会にする。
小・中間の円滑な接続を重視した話合い活動の指導
小学校高学年では
指導のねらい
楽しく豊かな学級や学校の生活をつくるために話し合い、自己の役割や責任、集団としてのよりよい方法などについて考え、判断し、信頼し支えあって実践できるようにする。
話合い活動【小学校における話合い活動の例】
○楽しい学級にするための内容
○集会活動の計画
○充実した学級生活のためのきまりや創意工夫
○代表委員会などへの意見の提案
高学年では、児童が活動計画を作成し、役割分担をして話合いが自主的に進められるように配慮します。その際、司会や記録、話合いの隊形や進め方などを工夫して、効率的、計画的に進められるようにします。
高学年では、学級のことにとどまらず、学校生活全体に関わることも取り上げるよう助言したり、多様な意見のよさを生かして話合い活動を進められるようにしたりして、よりよい集団決定ができるようにします。
円滑な接続のための留意点
1 ガイダンス機能の充実
・入学期、新学期など新しい生活の開始時期に、認め合い、励まし合う集団の中で、生徒がこれからの生活に対して、十分な情報を得て、見通しをもって学校生活に積極的に取り組む意欲がもてるよう指導・援助する。
【例】オリエンテーション、個別指導やグループ指導、学級成員の親睦を深める活動の場や機会を設定する。また、個々の生徒に十分配慮した指導をしていく。
2 学校生活に適応するとともに、学級の一員として、学級生活の充実・向上に主体的に取り組む。
・学級成員に共通する問題を取り上げ、自主的、実践的な活動を通して学級や学校生活づくりを図っていく。自己存在感を実感し、自分らしさを発揮して活動し、自らの生き方や将来に対する夢や希望がもてるようにする。
【例】グループや学級全体で話し合う活動を行う際、自己と対話しながら文章で表現し互いに伝え合うことを通して、自己や他者の個性を理解し尊重していくことを重視する。
中学校では
指導のねらい
学級や学校の生活の充実と向上にかかわる問題について、学級や学校の一員としての自己の役割と責任を自覚し、他の生徒の意見を尊重しながら、集団におけるよりよい生活づくりなどについて考え、判断し、信頼し支え合って実践できるようにする。
・望ましい人間関係を形成し、集団の一員としての自覚を高めるようにする。
・集団の一員として学級や学校におけるよりよい生活づくりに参画し、共に学級や学校生活の諸問題を話し合って解決したり、協力して諸問題を解決したりして、主体的にかかわり、自発的、自治的に活動を進めていくようにする。
中学校における話合い
活動内容
学級や学校における生活上の諸問題の解決
学校における多様な集団の生活の向上
学級や学校における生活上の諸問題の解決
具体的な題材
・クラスの当番活動についてよりよい方法を考えよう。
・係活動をリニューアルしよう。
・ビーチバレーボール大会を通して特別支援学級との交流を深めよう。
・合唱祭に向け団結し、感動を分かち合おう。
・合唱コンクールに対する取組を見直そう。
活動のポイント
集団としての向上のために、これまでの活動を振り返り改善し、自分にできることは何かを自ら考え、実行していく力を育てる。
互いの立場を理解し、自他を尊重し、すべての人と共に生きる社会づくりを実現しようとする積極的な態度を養う。
学校行事等と関連付けながら、学級や学校の生活の向上に向けて生徒の自主的、実践的な活動を進められるようにする。