幼・小・中間の円滑な接続を重視した人間関係の形成について




幼・小間の円滑な接続を重視した人間関係の形成

幼稚園では

幼稚園生活を楽しみ、自分の力で行動することの充実感を味わわせる。

幼稚園生活においては、何よりも教師との信頼関係を築くことが必要です。そして、それを基盤としながら様々なことを自分の力で行う充実感や満足感を味わわせるようにします。

身近な人と親しみ、かかわりを深め、愛情や信頼感をもたせる。

多くの他の幼児や教師と触れ合いを通して、自分の感情や意思を表現しながら、自己の存在感や他の人々と共に活動する楽しさを味わわせます。ときには幼児同士の自己主張のぶつかり合いによる葛藤の場面を通して互いに理解し合う体験を重ね、かかわりを深め、共感や思いやりなどを育てるようにします。

社会生活における望ましい習慣や態度を身に付けさせる。

生活の中で、よいことや悪いことに気付かせ、考えながら行動させたり、きまりの大切に気付かせ、守らせたりします。生活のために必要な習慣や態度を身に付けていくことで、人とかかわる力を育てます。

円滑な接続のための留意点

1 様々な人間関係を経験させる

・入学当初から徐々に大きな集団における幅広い人展関係の中で活動できるようにし、集団で活動する楽しさを味わわせたり、上学年の児童が温かく見守るようにしたりするなどして、安心して学校に通えるようにする。

・教師と児童、児童相互の間に信頼・尊敬・親愛・協力など、温かい人間関係を育成し、児童の学級への所属意識を高めるようにする。

2 集団活動を通して計画的に指導する

・集団活動を通して、約束やきまりなどを守られなければならないことを理解させたり、みんなと一緒に活動できるようにしたりする。

・学習や給食、清掃などを学校における基本的な生活の仕方を身に付けるとともに、集団活動を通して友達に対してしてよいことや悪いことをしっかりと自覚できるようにする。

小学校低学年では

指導のねらい

学級や学校における集会活動や係活動などを通してみんなと一緒に活動する楽しさを体感させたり、学級会において友達の意見をしっかり聞くことの大切さを理解して話合いができるようにしたり、異学年集団や学級内のグループでの活動を協力して行うことを通して個々の児童が望ましい人間関係を築く態度の基礎を身に付けることができるようにする.

学級活動で育てたい「望ましい人間関係」

楽しく豊かな学級生活づくりのために、互いに尊重しよさを認め合えるような人間関係

低学年「仲良く助け合おうとする人間関係」

中学年「協力し合うとする人間関係」

高学年「信頼し支え合おうとする人間関係」

具体的な指導内容

・友達と仲良く

・仲直り

・男女の協力

・互いのよさの発見

・違いを認め合う

・良い言葉や悪い言葉

・親友をつくる   など

人間関係を形成する力を養う活動を充実する

特別活動における実践活動や体験的な活動を通して、例えば次に示したようなことについての考えを深め、望ましい認識をもてるようにするとともに、その大切さを児童自身が実感できるようにし、実際の集団活動の中で実践できるようにすることが考えられる。

学校生活を楽しくするために、うそをつかないこと、約束を守ること、人がいやがることを言ったりやったりしないこと、どの児童とも仲よくすること、けんかをしたらあやまるなどして仲直りをすること、どの児童の考えもよく聞くこと、困っている人に親切にしたり、声をかけたりすることなど




小・中間の円滑な接続を重視した人間関係の形成

小学校高学年では

指導のねらい

中学校生活について知り、残りの小学校生活を有意義に過ごそうとすることができるようにする。

『中学校生活に向けた交流会』(第6学年)<教科等適応に向けて>

○児童同士で感想や意見の交流を行い、積極的に参加できるように工夫します。

○中学校教員や生徒会からの話、生徒会が作成した資料、中学生の実際の様子を収めた映像等を基に、知りたいことや不安に思うことなどを解決できるようにします。

○自分のよさを生かし、自信がもてるようにします。

小学校での活動例

①事前の話合い(知りたいこと、質問したいこと等)

②授業体験(数学・理科・英語等)

③部活動や校則等についての交流

④振り返り(学習や生活の見直し、目標達成に向けての取組等)

円滑な接続のための留意点

1 発達段階を踏まえた指導の充実

・児童が自ら現在及び将来の生き方を考えることができるように、自分への気付きや自己決定を促す適切な情報や資料を提供する。

・児童が目標をもって現在の生活をよりよく改善し、自己の性格や能力・適性等について考え、これらを生かして夢や希望をふくらませるなど、自己の生き方について深められるようにする。

2 集団活動や体験的な活動の一層の充実

・望ましい人間関係を築く態度を形成し、多様な他者と協力して、生活上の諸問題を解決し、よりよい生活を築いていくことができるようにする。

中学校では

指導のねらい

入学当初に自己への関心を高めると同時に、人間関係を広げながら、他者への意識も高められるようにする。

『中学校生活オリエンテーション』(第1学年)<集団適応に向けて>

~自主的・実践的な態度を身に付ける活動、生徒の個性や能力の伸長、協力の精神などの育成を図る活動~

(1)自己紹介

自分自身を見つめ、自己の個性を発揮する

互いのよさを認め、尊重し合いながら進める

(2)校内オリエンテーリング

生徒同士の人間関係を構築する

①班を編成する。②学校に関する情報を集めたり調べたりする。③調べたことから問題を作成する。④制限時間を設け、班ごとに校舎内を巡り、全員で質問に答えながら、時間内に教室に戻る。⑤終了後、振り返りをする。

○生徒たちが自主的に校舎内を理解するような活動にします。

○地域での学習や移動教室、修学旅行等において、発展的にオリエンテーリング等班活動を取り入れた工夫をします。

○仲間と協力したり、問題を解決したりする態度を養うようにします。