児童のつまずきに対してどういう声掛けが効果的かゲームの領域別にまとめました
ゴール型(シュート)
ボール蹴りゲーム(サッカー)を例にしています
パスがつながらない・どこでパスをもらったらいいかわからない
声掛け
相手の前でパスをもらおう。
相手コートの誰もいないところでパスをもらおう。
声掛けの意図
少しでも自分の動きを得点につなげるために、相手コートでパスをもらうようにします。
また、ボール保持者と自分の間に相手を入れてしまうと、パスがつながらないので相手の前でもらうようにします。
シュートが入らない
声掛け
得点しやすい場所(ゴール前、ゴール下)でパスをもらい、シュートを打とう。
守りが少ないところを探して、素早く移動しよう。
声掛けの意図
ゴール前はシュートチャンスが生まれ、多くの子がシュートの楽しさを味わうことができます。また、ゴール型はコートサイドが守りの少ないスペースとして考えられるため、シュートを打つチャンスが生まれます。守りが少ないところを常に意識していると、スペースを見付けることが上手になります。
シュートかパスかドリブルか判断ができずに困っている
声掛け
前(ゴール)を向こう。
ボールを持ったらまずはシュートしよう。
声掛けの意図
取り組む種目によっては、コートが狭いため、素早い判断が必要になります。ボールを持ったらすぐにゴールの方を向くことで、視野が広がり、味方や相手のいる所を把握することができたり、スペースを見付けたりすることができます
ボールに児童が集まりすぎて、「だんご状態」になってしまう
声掛け
相手、味方のボールから離れたところでパスをもらおう。
離れよう。
声掛けの意図
「だんご状態」になると、狭い空間で攻守が入り乱れ、パスがつながりにくくなります。そこで、相手(守備)がいない場所に動くことでパスを受けやすくなるので、味方や相手のボールから離れることを伝えます。
ゴール型(陣取り)
タグ取り鬼を例にしています
ボールがとれない・ボールがうまく投げられない
声掛け
両手でしっかりつかもう
両手で、回転しないように投げると捕りやすいよ。
声掛けの意図
普段使わないボールなので、戸惑いはあるかもしれませんが、持って走るには、抱え易い形になっています。投げる、捕る、走るを組み合わせ、ボールに慣れさせます。ボールの中心を小指から押し出すように投げると回転せず、捕りやすいボールになります
動き方が分からない
声掛け
ボールを捕ったら、体をゴールに向け、走ろう。
ボールより後ろで空いている所に走ろう。
声掛けの意図
ボールを持ったときは、まずゴールを目指し走ることを意識させます。タグを捕られてから投げても構わないこと。具体的な場所を指示したり、良いところに走った児童を賞賛したりすることを通して、よい動きを知らせます。
タグをすぐにとられてしまう
声掛け
ボールを持っている人をどんどん交換しよう。
ボールをもらいにいこう。
声掛けの意図
ボール保持者以外のプレーヤーが、すぐにボールを受け取れるように、スペースに走り込んだり、相手のいない場所を見つけてゴールへ走り込んだりすることが必要になります。
タグを捕れない
声掛け
相手の正面に回り込もう。
手を広げて走る人を止めよう。
2人で協力しよう
声掛けの意図
走っている人のタグを捕ることは難しいですが、止まっている人のタグは取り易くなります。相手の動きを止めること。動きの素早い児童には、2~3人で協力するとよいことを知らせます。自分が捕ることができなくても、チームとして捕ることに参加できたことを賞賛します。
作戦通りに動けない
声掛け
一人一人の役割を確認しよう。
(作戦を)図にかいてみよう。
声掛けの意図
ゲームを行うと作戦通りに動けないことがあります。子ども一人一人が作戦を意識した動きができるような声かけが必要になります。
ネット型
バレーボールを例にしています。
サーブが入らない
声掛け
ボールのまん中を打とう
声掛けの意図
ボールを打ち損じてしまい、遠くまでとばないことがあります。ボールの中心を打つことでボールがミートし、狙ったところにとびやすくなることを伝えます。
レシーブやトスがうまくできない
声掛け
ボールの正面に動こう。
ボールのまん中を打とう。
声掛けの意図
レシーブを安定させるためには、ボールの動きを予想して体を移動させます。初めのうちは、丁寧に声かけをすることも必要です。
ラリーが続かない
声掛け
大きくバウンドさせよう。
相手がとりやすいパスを出そう。
パスをする人の名前を呼ぼう。
声掛けの意図
相手の位置や特性を考えて、とりやすいパスを意識させたいです。
アタックがきまらない
声掛け
確実に相手のコートにボールを入れよう。
人がいないところにアタックしよう。
声掛けの意図
アタッカーがやみくもに相手コートに返球してもなかなかきまりません。コートの奥や手前、後衛の間等は、きまりやすいポイントなので、意識させたいです。
ベースボール型
集まりっこベースを例にしています
捕球がおくれてしまう・捕球がうまくいかない
声掛け
ボールの正面でとろう。
もっと広がって守ってみよう。
声掛けの意図
遠くまで飛ぶ打球を予想して守備の陣形を考えると、より素早く補給することができます。また、打球を正面から受け止められると、後ろへボールをそらすことが少なくなり、よりアウトまでの時間を短縮することができます。
どこのアウトサークルでアウトにしてよいか判断ができずに困っている
声掛け
とんだ球の方へ全員で動こう。
ボールを捕りに行ってる人の近くのサークルに集まってあげよう。
声掛けの意図
守備側の全員が打球を見て、できるだけ打球に近いアウトサークルをすぐに判断することができると時間の短縮につながります。打球の方向、飛距離を把握することが必要になります。
送球をせず、走ってボールを運んでしまう
声掛け
捕ったら投げてみよう。
届かなそうだったら誰か間に入ってで助けてあげよう。
声掛けの意図
走ることよりも、送球はアウトまでの時間の短縮につながります。また、送球が苦手な児童にも、バウンドをさせながらの送球や中継を使った送球をさせると十分に速くなります。
バッティングの際、何度も空振りしてしまう
声掛け
ボールをみながら打ってみよう
声掛けの意図
ボールを見ないでスイングしていることが考えられるので、ボールを見ながらスイングできるようにする。