教育メディアについて




教育メディアとは

教育メディアとは、教育における教授・学習で教師が教育目標・教育内容等に基づいて、学習者に教授情報を与え、それに対して学習者が知識を得て、教師に反応情報を与える過程で教師と学習者の間にあって、教授情報の伝達、あるいは反応情報の伝達に用いられる手段あるいは媒体である。すなわち教育メディアは、教師と学習者の間のコミュニケーション媒体を効果的に行うための補助的手段である。

また、構成主義の観点からの教育メディアとは知識習得のための3段階モデルの中で利用される。最初の初期レベルの知識習得では、単純な構造の知識を練習やフィードバックにより習得し、次のアドバンスレベルの知識習得では学習者が中心となって発展的に学習し、最後のエキスパートレベルの知識習得では次の現実世界の経験における学習という3段階である。

このような授業モデルにおいて利用される教育メディアとは教科書からインターネット・コンピュータと幅広く多種多様なものがある。




教育メディアの機能

教育メディアの機能としては、教師が教授情報を提示するときに、言葉の説明や図だけではわかりにくい内容において教師の提示機能を拡大する補助的な機能のほかに、教師が提示する情報を学習者にとって具体的でわかりやすいものにし、好奇心を喚起させる学習活動の補助的機能を備えている。

学習の中でコンピュータの利用方法は、特定の場面での利用に限られてきたが、パソコンの高性能化・小型化・価格低下・一般家庭への普及によりいろいろな科目のいろいろな場面での活用が可能になってきた。授業の中で活用するには注意する項目としては大きくハードウェア(パソコンに関する基礎知識)・ソフトウェア(各教科で使用するソフト等)・ネットワーク関連の3つに分類できる。

ハードウェアに関しては現在一般家庭に広く普及しているパソコンであり、また、将来必ずといっていいほどかかわってくる電子機器である。そのため、一般的な使い方、各部位の名称、動作等を教えることは必須であり、簡単な構成、トラブル対処もできれば抑えておきたい事柄である。そのためには、自身の学校におけるパソコンの導入状況を事前に把握しておき、設定形態や、並べ方にあった最適なハードウェアに関する学習内容を整理しておくべきである。

ソフトウェアに関してはプリインストールをされているものを利用するほかに、自作、委託開発・購入といった導入方法があるが、どの方法をとるにしても、ソフトウェアの特性・内容・限界を考慮してから授業への導入を考えるべきである。

また、一点特化型のソフトウェア(算数のドリルのようなの)から汎用性の高いソフトウェア(word・excel)を使い分け、自分は何を学習させたのか、という学習の目的をしっかりと捉え、それにあったソフトウェアを使用するのが望ましい。また、ソフトウェアに関連する項目として、周辺機器・マルチメディアの活用であるが、こちらも近年は一般家庭に広く普及しており、カメラ・スキャナー・プリンター等は学習の幅を広げるツールとして使用可能である。しかし、導入の際はやはりソフトウェアと同様に、学習目標の明確化・学習成果の明瞭化は必要である。

教育メディアの問題

インターネットの普及により家庭や学校内で身近にネットワークに接続することができるようになった。インターネットを活用することにより、情報収集・活用能力の育成・メディアリテラシーの育成・地域の教育力の活用と学校外との交流といった多数のメリットを持つ反面、深刻な問題を引き起こす原因になる可能性を秘めている。

まずは著作権の問題で、ネットワーク上では様々な著作データが飛び交っている状態であり、無許可で保存・複製を行うと著作権法違反にあたる。指導者は何が著作権法の違反にあたり、なにがそうでないかを事前に把握し、ネットワークに接続する以前に保存・複製ができないようにするなど対策を立てていく必要がある。近年ではインターネットによるいじめも問題視されている。

掲示板などへの書き込みや学校裏サイトへのアクセスによる個人への攻撃などがあり、実名や相手と向き合ってのコミュニケーションではないことから罪の意識が低く、簡単に相手を傷つける言動を書いてしまいがちである。ネットワークに接続できるのが現在は学校だけでなく、家庭や携帯電話などからできてしまうことにより、未然に防ぐのは不可能であるが、教師が正しい知識を所持し、適切な指導を行うことにより、ネットワークから遠ざけるのではなく、コンピュータを導入した際に、メリットのみを活かす授業展開が行われるべきである。