総合的な学習の時間について




総合的な学習の時間とは

総合的な学習の時間とは、人類に共通する課題または我が国社会全体に関わる問題について分析、検討するための方法や技術について研究することになり、細切れの知識を教えるのではなく、総合的に考える力を形成するために設けられた時間である。

その目的としては、現実生活の中に今日的な課題を捉え、仲間とともに問題解決の主人公となって能動的・探求的に学び、主権者としての自覚を深め自立した市民を育てることにある。そのため、固定的な分野にとらわれず、横串的な教育が求められ、総合的な「生きる力」の発達が主の目的としてあげられる。




総合的な学習の時間の思想

「総合」の思想としては3つの実践を軸としており、教育の原点は子供の生活現実の中にあるという発想に基づく実践・地域を舞台とし、父母と住民の協働によって学習を発展させていく実践・平和、環境等のグローバルな課題と向き合う実践の3つが挙げられる。

また、総合的な学習では、見る・するなどの実体験を重視し、身近な事実から今日的な課題を捉える知性を育てることを考えている。この知性は「適応主義的な知性」ではなく、「批判的・創造的な知性」である。そして、他者に働きかけ自己を変える体験的な学習の中で育ち、単なる知識の蓄積ではなく、学ぶことが生きる力に転化する学習を目指している。机上の学習だけでは育むことのできない実体験に基づく成長を促す目的も含まれている。

総合的な学習の時間は学習指導要領の総則の中で、国際理解・外国語会話・情報、環境・健康、福祉という多種多様な課題が例示され、そのモデル・カリキュラムと実践が教育委員会の伝達講習や研究指定校の実践などを通して広まり、また、市場に出回った多くの本もこうした傾向に追従した。

そのため、全国の学校のカリキュラムと実践はパターン化と形式化が進行することになった。その結果は当然学習意欲や学力形成につながらず、学力低下の一因になっているといえる。つまり、学力低下の原因は学ぶことの意味を教えず、ただ記憶することだけを求める、伝達・注入型の授業と学びであり、実生活とかけ離れた学校知、現実生活のリアリティのない干からびた知識である制度知を権力的に押しつける授業と学びであり、個別化と複線化だけに走り、共同と協同を促さない授業と学びの問題である。

総合的な学習の時間の課題

今日の学力低下の問題を克服し、学校に本物の学びを作り出す可能性を胚胎している総合的な学習では、能動的で目的意識の中で、意味を確性し学びの主体(主人公)になることで、学びの意味を知り、実生活の結合を実現し、リアリティをもって授業と学びを通して地域のなかないあるモノ・コト・ヒトとの出会いを作っていく。また、与えられた問いから深めていき、共同の力に支えられ、自立した学習者を育て、学びの当事者性を得て、参加・学び、自己実現を目指すことである。