目次
単元名
考えたわけを書こう
単元の目標
絵を見て、考えたこととその理由を書く。
評価規準
国語への関心・意欲・態度 |
書く能力 |
・ 絵を見て考えたことを書くことに興味をもち、進んで文章を書こうとしている。 |
・考えたことと理由をどのような順序で書くのかを考えている。 ・考えたことと理由がつながるように、表現に気を付けて文章を書いている。 |
単元(題材)設定の理由
児童の実態
本学級の児童は、書くことに親しむため、4月から毎週末、家庭学習で日記を書いている。7月頃までは文章も短く、その時起きたことを順番に書いているだけの文章が多かった。コメントで「この時はどのような気持ちでしたか。」「誰と行ったのですか。」等の質問をすると、次の日記では気持ちを書くようになったり、主語を入れて書くようになったりした児童もいた。しかし、話の様子が伝わりにくい文章もまだまだ多い。
5月単元「よく見て書こう」では、観察するものを詳しく見て、大きさ、形、色などの特徴を見つけ、様子がよく伝わるように表現を工夫して書くことを学習した。10月単元「絵を見てお話を作ろう」では、場面の様子がよく分かるように、人物の行動や会話のつながりを考えて文章を書くことを学んだ。観察したものを見たままに書いたり、絵をもとに想像を広げ、順序に沿ってお話の筋を考え書いたりすることができる児童と、見たものを言葉にして書くということも個別な声掛けをしないとなかなか進まなかったり、表現することが難しく話が繋がらなかったりする児童がおり、その差は大きい。
誰もが適切に表現できるようにするため、今回は理由となる絵に印をつけさせ、絵と文章を一致させながら進めていく。教科書の例文を基に意見や理由を示すときの文型や、考えと理由とで段落を分けることをおさえていく。
教材(題材)観
本教材「考えたわけを書こう」では、絵から読み取ったことを文章に書いて表す活動を通して、意見や判断、推測したことを、根拠を添えて説明する力を身に付けることをねらいとしている。
児童はこれまで、観察カードなどを書く活動を通して、調べたことや思ったことを観点に沿って詳しく述べることを学んできている。また、読み教材では、叙述をもとに、様子や気持ち、仕組みなどを読み取ってきている。本教材では、考えを伝えるときには適切な理由や根拠を添えることが重要であることを改めて確認し、自らの表現において実践できるようにさせたい。
そのために本教材では、絵から読み取れることを考えさせ、その理由を明確に併記させる。どんな考えをもつかよりも、考えと理由とに整合性があるかどうかを考えて書くことを重視させたい。
自分の考えを相手に伝えるために、考えただけでなくその理由もしっかりと伝えることのできる力を身に付けさせることを目指し、本教材を設定した。
指導観(手だて)
理由の書き方
理由が曖昧なものにならないように、絵の中で考えの根拠となるところに印をつけることから始める。そのうえで、考えと理由との整合性や妥当性を考えさせることで、考えと理由が適切につながっていくと考えた。また、例文を示し、いつでも書く時の参考にさせる。
3人組での読み合いの工夫
書いた文章を班の友達と読み合う場を設定する。その際、「考えやわけを書くときのことばを正しく使っているか」「考えたことと、わけが合っているか」の2点に読み合いの観点を絞る。観点を絞ることで、友達同士の助言がしやすくなり、助言は自分の文章を見直す手立てになると考えた。また、友達がどんな文章を書いたのか知ることで、新たな視点が得られることも期待できる。
ワークシートの工夫
文章を修正する際に文字が重なり、読みづらくならないように、修正欄を作った。また、絵をワークシートの左側につけることで、絵を確認しながら文章を書けると考えた。
学習指導計画と評価規準
時 |
学 習 活 動 |
●指導・支援 ◇評価 |
1
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○学習の見通しをもち、書いたことに理由を添える書き方について知る。
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●例文で季節を判断した根拠となっているものを絵から探させ、根拠を正しく明示することが大事であることに気付かせる。 ◇[関]絵を見て考えたことを書くことに興味をもち、進んで文を書こうとしている。 |
2
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○書いた文章をグループで読み合い、考えとその理由とが適切につながっているか確かめる。
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●友達が書いた文章に考えたこととその理由が書かれているかどうか、またその理由は適切なものかを確認させる。 ・判断の観点 (服装、景色、持ち物、行動など) ◇[書]考えたこととその理由とに整合性があるか考えている。 |
3 (本時) |
○相手に分かるように文型を正しく活用しながら、絵から考えたことと、その理由を書く。 |
●考えの理由となる絵に丸をつけながら書くことを確認する。 ●考えと理由のつながりは適切か、文型を正しく活用できているかを考えながら書かせる。 ◇[書]考えたこととその理由がつながるように、表現や順序、整合性に気を付けて文章を書いている。 |
4 |
○相手に分かるように文型を正しく活用しながら、絵から考えたことと、その理由を書く。 |
●考えと理由のつながりは適切か、文型を正しく活用できているかを考えながら書かせる。 ●季節以外にも、場所やしていることについても考えさせる。 ◇[書]考えたこととその理由がつながるように、表現や順序、整合性に気を付けて文章を書いている。 |
本時の学習 (3/4時)
本時の目標
相手に分かるように考えたことと、考えた理由を書くことができる。
展開
学 習 活 動 |
●指導・支援 ◇評価 |
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1 本時のめあてと学習の流れを確認する。 絵から考えたきせつと、そのわけを書こう。
2 文例を提示し、前時までに学習した文型や判断の観点を振り返える。
3 絵から考えたことと、そのわけを書く。
4 班で文章を読み合い、助言し合う。 助言をもとに、自分が書いた文章を修正する。
5 全体で発表する。
6 振り返りをする。 |
●絵から読み取った情報を基に、季節について適切な理由を添えて考えを書くということを確認する。
●考えや理由を示すときの文型や、判断する時の観点、考えと理由とで段落を分けること をおさえる。 ●絵のどこを見て、そう考えたのか分かるように、考えの根拠となるところに印をつけてから書くことを確認する。
●根拠を明らかにして書くよう促す。 ◇考えたこととその理由がつながるように、表現や順序、整合性に気を付けて文章を書いている。(ワークシート) ●早く書けた児童には、違う理由で2枚目を書かせる。
●読み合いの観点
●助言を参考に、書き加えたり表現を変えたりしながら、書いた文章を修正させる。 ●実物投影機を使いながら発表し、他の理由を知る。 ・よりよく修正したもの、異なる理由が書かれているものを取り上げる。 ●次時は、別の絵で考えることを伝える。 |