単元名
やさいの はたらきを知って すすんで食べよう
単元の目標
知識及び技能の基礎 | 思考力・判断力・表現力の基礎 | 学びに向かう力、人間性 |
・野菜を食べることの大切さと必要性がわかっている。 | ・自分にあった食事の目標をたてている。 | ・食べ物や野菜に関心をもち、自らの食事について考えている。 |
単元(題材)設定の理由
児童の実態
本学級の児童は、授業では積極的に発言する児童が多く、興味をもって取り組む様子が見られ、新しい学習に対しても意欲的である。休み時間もほとんどの児童が外遊びに出て、元気に遊んでいる姿が見られる。
給食の時間に、栄養士が行う給食クイズの取り組みも積極的に参加していることから、食に関して、興味・関心が強いことがうかがえる。一年生の時と比較し、食べられる量も増えてきている。しかし、最後は、声掛けや残りを配るなどの配慮がないと、まだ積極的に食べることができなくなってしまう児童もいる。一方、特に野菜では、ドレッシングなどで味が付いたサラダは食べ進めることができるが、野菜そのものの味が苦手に感じている児童もいるようである。
また、野菜に関しては、生活科において、関心をもって、ミニトマトや夏野菜の世話をしている。日常の水やりなどの世話の中で見つけた野菜の成長を担任に報告してきたり、友達同士で見せ合ったりする姿も見られることから、関心が高いと思われる。
本単元を通して、野菜の大切さを知り、苦手なものでも好き嫌いなく食べられる児童の育成を目指したい。
教材(題材)観
食は人間が生きていく上での基本的な営みの一つであり、健康な生活を送るためには健全な食生活は欠かせないものになっている。しかし、児童の食生活を取り巻く社会環境は変化し、食生活の乱れや健康問題が懸念されている。増加しつつある生活習慣病を予防するためにも望ましい食習慣の形成は欠かせないものになっている。
特に成長期にある子供にとっては、健全な心身を育むために食に関する正しい知識と食体験が必要になってくる。子供のころに身につけた食習慣を大人になって改めることは非常に困難なことであるため、成長期にある子供たちのへの食育は家庭、学校、地域が連携して行うことが有効である。
平成28年国民栄養健康調査によると、20歳以上の野菜の摂取量の平均値は276.5gで目標値である一日350gを大幅に下回っており、年齢別にみると20歳代で摂取量が最も低く、過去十年間で有意に減少を続けている。
学校では、野菜を使った副菜のある給食を意識し、和、洋、中のどの献立でも野菜が摂取できるように心がけている。季節も夏に向かっており、みずみずしい夏野菜が学級園で育っている。そこで、ただ出てきた給食を食べるのではなく、自らの健康と食生活について考える機会にしたい。
指導観(手だて)
健やかな成長と、将来の健康を維持していくためには食の重要性を理解し、自身の健康のためにバランスよく食事をとることのできる能力を身に付けることが必要である。2年生になると、学校生活にもなれ、給食でも自分の食べきれる量や体調にあわせて自ら食選択を行うことができるようになってくる。食を選択できるようになってくると、偏食が問題となってくる。健康でいるためにも、バランスのよい食事が必要で、特に苦手意識を持ちやすい野菜類の摂取についての知識を学習しておくことが重要であると考える。
まず、野菜と一言でいっても多種多様な野菜があることを知らせ、自分たちが普段野菜のどの部分を食べているか学習する。食べている部位で分ける他にも、野菜の栄養や体への効果によって分けられることを学習し、多くの種類の野菜をとることが大切であることに気付かせたい。野菜の主な働きとして体の調子を整える作用の中でも、病気の予防と整腸作用についておさえる他に、エネルギー補給に役立つ野菜もあることを知らせる。
この授業に関する指導の留意点として、個人の食の好みや嗜好を尊重し、決して無理なく、個人に合った目標を設定できるように支援する必要がある。授業後は給食を活用した事後指導や食育便りなどを発行し、継続的な指導を展開していく。
学習指導計画と評価規準
ねらい | 主な学習活動 | 評価規準 | ||||
関連① | 1 | 生活科 <めざせ野さい作り名人> |
・夏野菜(ミニトマト)について理解を深め、これから始まる栽培活動への意欲を高め、苗うえの仕方がわかる。 |
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・苗の特徴をとらえ描写して、気づきを記入している。<知識及び技能の基礎> ・苗の取り扱い、植え方のポイントを理解している。<知識及び技能の基礎> |
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関連② | 2・3 | 生活科 <めざせ野さい作り名人> |
・苗を正しく扱うことができる。 ・野菜の苗の育て方のポイントと知り、それらを大切に世話をすることができる。 |
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・茎や葉、根を傷つけることなく植え替えをすることができる。 <知識及び技能の基礎> ・野菜に何が必要か考え、日々継続しようとしている。<思考力・判断力・表現力の基礎><学びに向かう力、人間性> |
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関連③ 事前指導 | 4 | 生活科 <めざせ野さい作り名人> |
・成長したミニトマトの観察から植物の成長の様子と特徴がわかる。 | ・観察カードへ記録して、植物の成長をとらえる。 ・友達と見合い、実のなり方や成長に気が付く。 |
・成長の変化(花や実)の特徴をとらえている。<思考力・判断力・表現力の基礎> ・これからもミニトマトの世話を継続しようとしている。<学びに向かう力、人間性> |
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食育 | ・一年次の学習(食べ物の働きを知ろう)をふり返る。 ・夏野菜の特徴を知る。 |
・給食列車の赤・黄・緑の食材についてふりかえり、野菜や果物が緑の食材の仲間であることを思い出す。 ・夏野菜の特徴(夏の暑さに負けない栄養)を知る。 |
・給食列車の授業を思い出して食材のわけかたがわかる。<知識及び技能> ・季節の野菜を食べた方が良いことを理解している。<知識及び技能> |
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本時 | 5 | 学級活動 <野菜の働きを知ろう> |
・野菜の働きを知り、野菜を食べることの大切さが分かる。 |
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・野菜が身体にとって必要であることを理解している<知識及び技能の基礎> ・野菜をすすんで食べようとする意欲をもっている。<学びに向かう力、人間性> ・具体的な食事の目標を設定してしている。<学びに向かう力、人間性> |
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事後指導 | 給食の時間 | ・学習した内容を日々の生活で実感・体験させ、継続意欲を高める。 | ・その日の給食に使われている野菜を知る。 ・給食に入っている野菜を分ける。 |
・野菜に興味をもって給食を食べている。<学びに向かう力、人間性> 野菜を普段より食べようとしている。<学びに向かう力、人間性> |
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関 連 ④ |
6 | 生活科 <めざせ野さい作り名人> |
・育った野菜の大きさを確かめて収穫し、収穫の喜びを友達と味わう。 |
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・野菜を収穫して喜んでいる。<学びに向かう力、人間性> ・収穫した野菜をどうするか考えている。<思考力・判断力・表現力の基礎> |
本時の学習
本時の目標
野菜が身体にとって必要であることを理解し、すすんで食べようとする意欲を育てる。(心身の健康)
野菜の働きを知り、自分の食事について考える。
展開
過程 | ・学習活動 ◆予想される反応 |
・指導上の留意点(T1)●支援 | ・指導上の留意点(T2) ●支援 | ・資料、教材 ◎評価 |
導入5分 | ・野菜アンケート結果を聞く。 ◆好きなやさいはじゃがいもだと思う。 ◆苦手な野菜はピーマンだと思う。 ◆食べたことないのはれんこんだと思う。 ◆一番知られていないのは里芋だと思う。 |
・クイズ形式でアンケート結果を伝える。 ・野菜について勉強することを伝える。 ・T2を紹介する。 |
・パワーポイント資料 アンケート写真 |
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展開30分 | 野さいのはたらきを知って すすんで食べよう ・今日の給食に使われていた野菜を知る ◆玉葱、じゃがいも、人参、なす、大根 キャベツ、きゅうり、 ・食べ物劇場を聞いて野菜を食べるとどんないいことがあるか、野菜の分類のポイントを知る。 ◆病気になりにくい。 ◆おなかの中をきれいにしてくれる。 ◆エネルギーにもなる。 ・生活班で、野菜を体への働き方によるグループ別にわける。 ◆人参は病気に負けないグループかな。 ◆ごぼうはお腹をきれいにするグループかな。 ◆さつま芋は体を動かすもとの野菜かな。 ・各自の野菜マグネットカードを黒板へはりにいく。 ・イラストカードの貼られた黒板を見て、自分の班と違う点を発表する。 ◆なすは色が濃いので病気に負けないグループだと思います。 ◆きゅうりは色が濃いので病気に負けないグループだと思います。 ・正しい分類と、普段の生活で使える簡単な見分け方のポイントを知る。 |
・料理別に入っていた野菜を板書にまとめる。 ・児童を真ん中に集める。 ・食べ物劇場の先生役をする。 ・生活班の形に机を移動させる。 ・机間指導をする。 ●ワークが進まないグループへパペット劇場のポイントを伝える。 ・児童にイラストマグネットを配る。 ・自分の班との違いを気付かせ、発言を促す。 |
・出てこなかった野菜をおさえ、なぜ給食でたくさん野菜が使われているかをおさえる。 ・パペットを使い、野菜の働きと分け方のポイントおさえる。 色の濃い野菜:病気に負けない 色の薄い野菜、きのこ:お腹をきれいに いも類:体を動かすエネルギーとなる それぞれがの野菜が特徴ある栄養をもっていることをおさえる。 ・机間指導をする。 ●ワークが進まないグループへパペット劇場のポイントを伝える。 ・T1の補助を行う。 ・児童の意見について、理由を説明し正しい分類へと導く。なすときゅうりは実物を提示し色の薄さを実感させる。 ・芋類は給食列車の黄色号車であることをおさえ、野菜の働きの多様性を伝える。 ・正しい板書が完成した後、 色の濃い野菜:病気に負けない 色の薄い野菜、きのこ:お腹をきれいに いも類:体を動かすエネルギーとなる が見分けるポイントであることを再度おさえる。 ・事後指導ができるように分類した表をランチルームに掲示することを伝える。 ・苦手な野菜があっても同じグループで補っていいことを伝え、個性を尊重することをおさえる。 |
・給食写真 ◎給食を思い出し、積極的に発言しようとしている。 <学びに向かう力、人間性> ・パペット①くま ・パペット②うさぎ ・先生 ・栄養士 ・キーワードテロップ ・班作業用イラストカード、3色の台紙 ◎班のメンバーと話しながら分類を考えている。 <思考力、判断力、表現力の基礎> ・なす、きゅうりの実物 |
まとめ10分 | ・わかったこと、これからの生活で頑張ろうと思ったことを書き、発表する。 ◆3種の仲間をなんでも食べたい。 ◆苦手な野菜もすすんで食べて健康になりたい。 ・事後指導のやり方を知る。 |
・板書を使用し、授業のふりかえりを行い、頑張りたいことを記入させる。 ・給食時に授業の確認をすること、野菜パクパクカードのやり方を説明する。 |
・グループ活動で使用した教材を回収する。 | ・ワークシート ◎野菜を積極的に食べようとする気持ちをもっている。 <学びに向かう力、人間性> |