あいさつや返事をきちんさせるために




あいさつや返事をきちんとさせられますか?

私は、8時15分には必ず教室にいて、子ども達が「おはようございます」と元気にあいさつをして教室に入ってこられるかどうかを確認していました。

もちろん、こちらも「おはようございます」と必ず元気に返します。

1ヶ月間これを繰り返し、みんなあいさつができるようにさせました。声が小さい子もいても、それは1年間かけてあらゆる場面で育てるべきです。

とある学校では「あいさつ週間(呼び方は色々あります)」を毎日しているので、毎朝10分程度玄関に立って全校児童にあいさつ指導をしています。

看護当番がいるので、自分が毎日立たなくてもいいのですが、児童のあいさつの仕方がよくないのが気にになっている場合はこの機会に指導を行うと効果的です。

子ども達にあいさつの仕方を教えるだけでなく、先生方にあいさつ指導の重点を教えるという理由もあります。先生方がうまく指導ができていたのなら、 すでにあいさつがたくさんあふれている学校になっているでしょうし、「あいさつ週間」などする必要もないからです。

あいさつができない子は、勉強や運動ができない場合が多いです。「おはよう」という当たり前の行為を面倒に感じ、恥ずかしく思ってしようとしない子が、授業中に手を挙げて発言をしたり、努力を必要とする運動をがんばったりというもっと難しい行為をできるはずはないからです。

自分は元気に“ あいさつ ” ができることを子どもたちの学力・運動能力・友達関係・クラス経営の全てに関わる、基礎的な、しかし非常に重要な要素の一つと見なしています。教育活動の中心であると同時に、社会に出てからも一生役に立つ能力であると重視しています。

学校それぞれ特色はありますが、各学校で行っている「あいさつ週間」とは、1年生から6年生が毎朝、交代で玄関に立って、登校してくる全校児童にあいさつをするというものです。




あいさつ運動を行うときの児童への指導

①玄関の前に子たちが横1列に並ぶ。その際は圧迫感を与えないように、玄関奥に並ぶ。

②子ども達が登校してきても、担当の子ども達からは「 おはようございます」を言わない。

③相手が「 おはようございます」を言ったら、そのとき初めてにっこり笑ってあいさつを返す。

④あいさつをしない子、元気にできない子は、呼び止めて、あいさつ指導をする。

デパート開店時間に入店すると、ずらっと店員さん達が並んでいて、あいさつをしてくれて恥ずかしくていたたまれなくなりませんか。人数や並び方、立つ位置を考えないと、あいさつをしないで学校に入ってしまい、逆効果になる場合があるので、①の指導をします。子ども達はどうして前の方に並んでし まう傾向があるので、ものすごい圧迫感があるのです。

また、②を徹底しないと、あいさつをするのは、当番の児童だけになりかねません。あいさつは、相手がしたからするのでなく、自分からするのものだという 意識をもたせるためです。また、あいさつはコミュニケーションの一つです。『自分がしたからいいや…。 』と相手のことを考えない、一方的なあいさつにさせないための指導です。あいさつ運動直後は、しばらくは効果が続きます。でも、時間がたつと、だんだんとしなくなります。「のど元過ぎれば熱さ忘れる」です。やはり 、あいさつ指導は毎日行うのが一番効果があります。そういうことをふまえての毎日の「 あいさつ週間」なのです。

しかし、最も効果があるのは、そう 、毎日、学級担任がクラスで指導をすることなのです。担任のやる気で子ども達のあいさつの仕方はガラッと変わります。

特に実感できるのは他学校との交流のときです。例えば連合運動会の開会式のとき、 他校の校長先生や教育委員会の方たちが初めの言葉や代表の言葉の中で「おはようございます」とあいさつをします。普段の指導がしっかりできていると、ものすごく元気な声で「 おはようございます!」と返します。他校の児童はびっくりします。『なんでこんなに大きな声であいさつができるんだ…。 』

一方、自校の子どもたちもびっくりします。『なんで相手があいさつをしているのに、黙っていているの!?』

その後の、応援団長を中心とした応援の声も凄まじいほどの声量で、観戦することができます。 応援に来られた保護者の皆さんは応援の素晴らしさに、誇らしくて胸を張る思いだったそうです。

これも“ あいさつ”が できることの効果なのです。 他校の先生方も子どもたちも一生懸命応援しますが、 普段から大きな声を出す習慣がないので、一時は大きな声が出せても、ほとんどの学校の応援はすぐに尻つぼみになってしまいます。

普段の指導がなっていないと組織だった応援もなく、子ども達は大きな声が出せなくて、となりの子とおしゃべりをしながら見ています。そのうち、競技そっちのけで、騒いでしまいます。一生懸命「もっと応援しよう」 と鼓舞しても、なかなか乗ってきません。

6年だから、 恥ずかしくてあいさつをしないのではありません。指導次第でいくらでも元気にあいさつはできるようになります。

児童に向ける言葉

勉強ができる 子つて、まちがいなく あいさ つもし つかりしているんだよね。あいさつができなくて、スポーツで活躍した選手ってみたことないなあ…。あいさつと、勉強・運動ってものすごく密接な関係があるのですよ 。

大きな声であいさつできなくて、中学校で先輩との関係が悪くなった子はたくさんいます。人間関係を良好にする大切な力なのです。君らが中学3年生になったとき、1年があいさつしなかったらどう思 う?ムッとするでしょ?今からやつておいた方が、絶対に得ですよ。

あいさつができることは、仲間を励ましたり 、友達を元気づけたり、周りの雰囲気を明るく 変えたりする力をもっていることになるのですよ 。素晴らしい才能の一つなのです。