子ども達を引きつける話を臨機応変にするために

私は、サッカーが大好きでありますが、同時に結構な読書家であり、テレビっ子でもあります。多くの情報が自分の身近にあるのを好んでいます。

そんな生活をしていると、 何気なく読んだ本や視た番組の中に、子ども達の心を、こちらの意図どおりにコントロールすることができる情報や方法があることに気づきます。

ここでは、そういう情報の一部を紹介します。




運動する子は勉強ができる

勉強さえしていれば学力はあがると思い、他のことへの努力を怠っている子ども達は、受験がさかんな小学校には多いです。

本当に勉強ができる子は、運動も勉強もその他のこともがんばる子だということを話すのですが、なかなか理解できないようです。

その時にこの話をします。

アメリカの高校で肥満対策のために、朝、始業前にランニングをした学校がありました。効果は抜群、肥満の子は減りましたが、同時に思いもかけない効果も現れました。

なんと、算数の思考力と国語の読解力の力もグンと伸びたということです。(心臓血管の機能を高めると脳にもよい影響がでるのは今では常識です。灘校や開成校などのように、あえて1時間目に体育を入れる学校もあるほどです。)

運動は勉強の邪魔ではなく、運動することが学力を伸ばすことに必要な条件にもなるというこ とです。

一見関係ない(もしくは邪魔とさえ思っていること)が、何かの、またはすべての向上や発
達に密接に関係あることを、この話から伝えます。




運がいいと思つている人(前向きな人)は本当によいことが起こる

運が悪いと思っている人と運がいいと思っている人をそれぞれ集めて、次のような実験がアメリカで行われました。

それぞれが、新聞の紙面に載っている写真の枚数を正確に数えるという作業をするというものです。

ただし、この実験の本当の目的は、正確に写真を数えることではなく、新聞の中に載っているある記事を発見できるかというものです。

その記事とは、「この文を発見した人にはお金を差し上げます」というものです。

運が悪いと思っている人グループではほとんど発見できませんでした。

一方、運がいいと思っている人グループではほとんどの人がその記事を発見し、お金を手に入
れることができました。

私はこの話を、子ども達がネガティブな考えを出したときに話します。

否定的な考えをもつと、結局、たくさんのことを見逃したり、悪いことを呼び込んだりしてしまうということを理解させます。

人は話を内容ではなく表情や所作、声の出し方で判断する

人は話の内容を、しゃべった内容から7パーセント 、93%を言葉の調子や、態度から判断するということです。

つまり、態度がよくないとどんなに内容が素晴らしくても、正しくても相手は理解してくれないということです。

気弱な声、早口、小さい声、自信がなさそうな態度では相手は正反対な受け取り方をすることさえあります。

しっかり発表できること、きちんと発言することはとても大切な力になるということなのです。

ごめんなさいをいうと怒りがおさまる

アメリカの大学で行われた実験です。

被験者に自由テーマでレポートを書いてもらいます。

それを2組のグループに読んでもらうのですが、それぞれが厳しく辛辣で、書いた人の人間性までも貶めるような批評をします。もちろん被験者は烈火の如く怒ります。

そこで片方のグループは「ごめんなさい。言いすぎました。」と謝り、もうひとグループは何
も言いません。

すると、謝ったグループの方に対しては、怒りはあるものの、仕方がない、許してあげようという考えになるという結果が出ました。

「だって」とか「え―」とか「そんなつもりはなかった」というより、一言「ごめんなさい」の方が、遥かに効果があるという話です。

給食を残す子は中学にいってから、成績が落ちる

小学校ではきらいな物を残す子は、基本的に嫌なことはしない子です。(これは給食嫌いな子はほとんどの子が自分で認めています。やはり、嫌な物を避ける傾向が強いのです。)

嫌いな給食を残す子は、嫌な勉強や、やりたくない仕事や、苦手な活動はしません。

しかし、小学校の学習は、簡単なので、それでもある程度の結果はでてしまいます。

『だから、大丈夫!』と努力も何もしないで、嫌な事を避ける生活習慣を続けていると、授業内容・活動内容が急に難しくなる高学年から中学校にかけて、成績が急激に落ちる可能性が高いのです。

あなたのクラスの子ども達は、嫌いな食べ物を食べていますか?給食を残す子は姿勢や食べ方も悪いです。小口で少量を時間をかけて、食べています。

それでも 『食べているという結果は同じだからいいだろ』と思っています。(つまり「終わりよければ全てよし」です。)

きらいなものから一歩も逃げ出さない、 常に正面から立ち向かうという姿勢をとり続けさせるような励ましや指導が必要なのです。