「ありがとう」「ごめんなさい」が行き交うクラス




「 ありがとう 」と「 ごめんなさい」がよく行き交うクラスにするために

いいクラスは「 ありがとう」と「ごめんなさい」がよく行き交うクラスです。争い事や不満が多いクラスは「 エッ ?」「だって…」が多く、言い訳で済まそうとしたり、無視したりします。

「ありがとう」「ごめんなさい」は言うのが難しい言葉です。自分を否定する部分があるからです。「ごめんなさい」はともかく、「ありがとう」は自己否定とは思いにくいでしょうか?

しかし、「ありがとう」は相手の行為を認めるので、間接的に自己否定、相手の優越性としてとらえてしまう場合があるのです。自己否定をし、相手の優越性を認めるには、かなりの心の力を必要とします。

他者を認め、受け入れるためには、自分の弱さを認める強さと相手を認める優しさがないとできません。だから、「ごめんなさい」や「ありがとう」をたくさん言えるクラスは、それだけで、他者を尊重する土台ができているのです。

しかし、「ありがとう」「ごめんなさい」を言うためには、まず、あいさつができなければなりません。 他者に対する声かけができずして、さらに難しい自己否定のあいさつなどできるわけがないのです。まずは、第一段階「おはよう」「さようなら」などの条件反射的なあいさつができるようにすることから 始めましょう 。 (その観点からも「挨拶や返事がきちんとさせるために」は非常に重要です。)

挨拶や返事がきちんとさせるために

その後、または同時進行で「ありがとう」「ごめんなさい」の活用ができるようにしていきましょう 。

また、「 ありがとう」 「ごめんさない」が多いクラスにするには、担任が当たり前のようにその言葉を多用するのが効果的です。教師がいいお手本を見せることが、子どもたちの行動を変えていくのです。 自分の行動をまず見直してみましょう。




ありがとうを言わせる指導

教師の観察力が大切です。 子ども達の様子をよく見ましょう。鉛筆や消しゴムを拾つてもらつたときに、手伝いをしてもらったときに、励ましてもらったり、ほめてもらつたりしたときに「ありがとう」を言っていますか?使いどころを指導しましょう。

「何かしてもらったらありがとうを言いましょう」と一般論で言うのでなく、個々に指導しないとなかなか「ありがとう」はクラスの中で増えません。耳になじんでくると、たくさんの「 ありがとう」が発生するようになります。

ごめんなさいを言わせる指導

まず、先生にきちんと「ごめんなさい」が言えるようにしましょう。

例えば、宿題・持ち物を忘れたときに、「先生、宿題を忘れました…。」ではなく、「 先生、ごめんなさい」と必ず言わせるようにします。 そのあとに、忘れたらどうするか、今後どうするかも言えるようになるとベストです。それをクラスの決まり文句にすればいいのです。

「先生、宿題を忘れてしまいました。ごめんなさい。明日必ず、提出します。これからは、忘れないように気をつけます。」

「先生、漢字ドリルを忘れて、ごめんなさい。今日は隣の友達に見せてもらって勉強します。これからはわすれないように、前の夜にランドセルの準備をします。」

忘れ物が多い子は特にチャンスです。これをたくさん言わせてしまいましょう 。「ごめんさない」を簡単に条件反射で言うようになります。